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LinK  作者: 及川有紀子
23/27

LinK22

街は滅茶苦茶だ。

沢山の人が傷つき、子供の泣き叫ぶ声が聞こえる。

なんだよ、これ。

夢なら、覚めてくれよ。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



数日前から、アンドロイドやアンダーロイドの回収で、周りは忙しそうだった。

ただ、自分はそれをどこか遠くの出来事に思えた。


その日、回収されるアンダーロイドが暴れたため、鎮圧に向った。

山吹さん、まーくん、メグ、ニーナとバッキーと、俺。


ニーナは博士に無茶をしないように言われていた。

そのお目付け役でバッキーが来たのだ。


そこには、あの時バッキーに執着していた人と、

もう一人、男性が居た。


「久しぶりじゃのう、楓、真守、」


「っ、しん、さん…!?」


「なんっ…!」


普段冷静な山吹さんが、


「なんで、慎さんが、そっちにいるの…?」


泣きそうな声で、


「なんで、あたし達を捨てたの…?」


「楓!!」


引き金を、ひいた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ああ、椿、逢いに来てくれたんだね…!嬉しいよ…!」


「……宮本さん、もしかして、ホ」


「おい、意味深な喋り方すんな、あんな奴知らねーよ」


「でも……」


じろり、ニーナを見た。


「好きになったのは、アイツじゃねー、こう見えて一途なんだよ、俺は」


「よく分かりませんが、彼の事を弄んだのですか…?」


「何でだよ!!」


瞬間、後ろのビルが壊れた。


「お喋りはここまで♡さぁ、椿、一緒に逝こう♡安心して、優しくするから♡」


「宮本さん、もしかしてネ」


「だからちげーって!つか何でそんな言葉知ってんだよ!」


「メグさんや有紀さんに教えてもらいました」


「あっそ…つか小松何で知ってんだ…」


「私は宮本さんが知ってる事自体驚きでした」


二発目が撃たれた。


「次は、当てるよ」


「はっ、上等じゃねーか、やってやるよ!」


力と力のぶつかり合い。

ほんの少しだけ、椿が優勢だった。


「ニーナ、撃て!」


「了解しました」


僅かな隙間を狙い、狙撃した。

それは、白虎の身体を貫いた。


「白虎!!」


優勢だった椿の機体はあっという間に投げ出され、千鶴がコックピットから出てきた。


白虎の身体は、砂のように、空に溶けていった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「楓!!」


まーくんの声が響いた。


「はっ、はっ、はあっ…」


山吹さんが震えてるのが分かる。

悲しみと、憎しみと、苦しさが混ざったような、目をしていた。



「楓、俺がいるだろ、俺はお前を一人にしないし、させない、」


「聖川くんだけじゃないよ!私だっているんだからね!ニーナちゃんも、ヒナも、拓人も、皆いるから!」



信じて!



山吹さんの機体が光った。

俺が青龍とリンクした時のように。




∴あなたがガラス細工だとして、破片をひろうのは私の役目。そうして集めた破片をセロハンテープでくっつけるの。あたしのところへ帰ってこれるように。


















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