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LinK  作者: 及川有紀子
19/27

LinK18


ばぁん!

音はしたのに、痛みがこない。

恐るおそる目を開くと、


「間に合いましたね」


「え…?」


「なん、で、」


「れいな、ちゃん…?なの…?」


死んだはずの、零菜がいた。


「ちっ、安藤、一旦引くで!」


「仕方ない…ばいばい♡椿♡また会おう♡」


二人はどこかに消えてしまった。

それよりも、


「お前、死んだはずじゃ…」


「みなさーん!無事ですかー!!」


「「博士!?」」


「帰るとこすみません、学校に戻れますか?説明します、アンドロイドの事、彼女の事、」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



教室には皆集まっていた。


零菜が入ると少し、ざわついた。


「聞いてください!彼女は零菜さんですが、零菜さんじゃありません!」


「…どういう、事?」


「私から説明します、私は何回も転生…死んだはずなのに、その世界に私はいました。この世界では「零菜」と呼ばれていました。他の記憶もあります。「陽菜」と呼ばれたり「愛」と呼ばれたり。そして、いつだって私を殺すのは、私を作った博士の助手、です。」


「今回、目が覚めるのに時間がかかったのは、今までは誰かの肉体をお借りしてたからなんです。真っ暗な中、光の導く方へ行くと、この体がありました。」


「この体はボクが作りました。彼女はアンドロイドですが、どちらかと言えばアンダーロイドにちかいです。実力も技術も少ないボクでは、限界があります。」


「それでも、私は、また皆さんと共にいたい、それだけ、なんです。」


「なら、いーだろ、お前がここに居たいなら、それでいーだろ、」


「…はい…!」


「お二人の世界に入るのはいいのですが、彼女、まだ名前がないんです、彼女はさっき言った通り、色んな名前があります。零菜さんでも陽菜さんでも愛さんでもない、彼女がここにいたっていう理由になれるように。」


「うーん…博士はつくってるとき、どんな事思ってたの?」


「ボク、ですか?」


「うん、」


「…ボクはシュミレーションが苦手で、皆さんの足手まといになってます、それでも皆さんは責めない、むしろ励ましてくれる、だから、ボクが出来ることで、皆さんのサポートをしたいって思いながら、皆の事を思いながら、つくりました。」



「このクラスは男女合わせて、まーくん達含めて27人、…27、ニーナはどうだろ、皆がいなかったら、彼女はいなかったんだし、いやなら、いいんだけど、」


「わ、私もニーナちゃんが、いいと、思うよ、」


「零菜ちゃん…ううん、ニーナちゃん、よろしくね、」


「はいっ…!皆さんのお役に立てるように、努力します!」

 

笑った顔は、輝いていた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「青龍も朱雀も人間に誑かされてるんや、ほんま頭おかしいんちゃう、」


「は〜〜〜な〜〜〜せ〜〜〜!!びゃっこ〜〜〜!わ〜〜〜た〜〜〜し〜〜〜の〜」


ばぁん!


「…うるせーんだよ、黙ってろ、亀のくせに、」


(はわわわ!殺される!青龍、朱雀!助けてくれ!)


「早く白虎みたいに洗脳されてくれないかな♡」


(あかん、こいつやばいやつや!)



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「…ナツ?どうしたの?」


「いや、誰かに呼ばれた気が…」


「だなも呼ばれた気がするんだな」


「…ねぇ、だなちゃん、ナツ、」


「どうしたんだな?」


「…ううん、何でもない、」





∴あいにく、勇気は持ちあわせておりません。














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