LinK17
「ねぇ、つばき、すき。だぁいすき♡それ以上嘘つくなら、ここで死んでよ♡大丈夫、俺も一緒に逝くから♡」
ばぁん!
銃声が響いた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アンドロイドの取り締まりが厳しくなった。
何の罪もない機械が、棄てられていく。
人間の手によってつくられたそれが、人間の手によって廃棄されていく。
知恵をつけたアンドロイドは人間に対抗し始めた。
「…何が、正しいんだろうね、」
「それは拓人が決める事でしょ、」
「え?」
「自分がこう!って決めたら、それを貫くだけでしょ、」
「…うん、そうだね、ありがとう、メグ、」
帰り道は静かで、争いなんてないみたいに。
穏やかだった。
「青龍と朱雀を渡してくれないか、」
俺とメグの前には男性と女性が現れた。
「逃げようったって、無理やで、なんせ、ウチがおるからな、」
背後には女性が、前には男性が。
どうしよう、メグと目を合わせる。
だなは今頃家にいるはず、今日は連れてこなくて良かった。
「白石ー!藤原ー!」
「バッキー!?」
「椿くん!?」
バッキーが来てくれたけど、どうしようもない。
すると男性がうっとりした顔で喋りはじめた。
「つばき…あぁ愛しい椿…!俺はこの時を待っていたんだよ…!」
「…椿くんの知り合い?」
メグの問いかけに答えた。
「いや、知らねーよ、誰だテメー」
「やだなぁ…俺だよ、千鶴、安藤千鶴だよ、」
「いや名乗られても知らねーし」
「酷いなぁ…俺、椿のために頑張ったんだよ、野球も勉強も、」
アンドロイドを操ることも。
「まさか…お前が智を、」
「そうだよ、暴走させて、破壊したのは」
おれだよ。
嬉しそうに、言った。
「野球チームにいた時、俺はひとりだった。そんな時、椿のチームと対戦したんだ。その時、椿は俺を認めてくれた、それなのに、また対戦する時、椿は居なかった。風の噂で野球をやめた事を知った。だから、俺が椿を救おうとしたんだ。けど、その時にはもう、椿はまた歩きはじめてた。隣にいたあんなガラクタが許せなくて。」
「ざけんな!智はガラクタなんかじゃない!俺の相棒だ!」
「…ねぇ、椿。まだあんな奴に拘るくらいなら、俺にしてよ、俺なら椿を幸せにしてあげられる、ねぇ、一緒にいこう、来ないなら、」
チャキ。
銃を構えた。
「椿、俺、面倒な事しないんだ。だから聞くよ、青龍と朱雀はどこ?」
「知るかよ!」
「ふーん…ねぇ、つばき。すき。だぁいすき♡それ以上嘘つくなら、ここで死んでよ♡大丈夫、俺も一緒に逝くから♡」
∴あなたしかみえないの