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LinK  作者: 及川有紀子
16/27

LinK15

私が小学二年生の時、なおちゃんは転校してきた。

隣の席になって、よろしくね、って言ったら、

むすっとした顔でよろしく、とだけ言った


帰り道でなおちゃんを見かけて、声をかけた。


「一緒に帰ろう」


「なんであんたと帰んなきゃいけないの?」


「私のお家もこっちなの、」


なおちゃんは呆れた顔で、「今日だけね、」って言った。

次の日、教室に入って「おはよう、」って声をかけたら

むすっとしたままだけど、小さく「おはよ」って言ってくれた。

少しずつ時間が経つとむすっとした顔より、笑った顔の方が増えていった。

ある日、なおちゃんはスカートを履いてきた。


クラスの男の子たちはからかって、「男おんな」とか「太い足見せるな」とか悪く言っていた。なおちゃんの瞳には涙が浮かんでた。


「なおちゃんのスカート可愛いね、似合ってるよ」


私はその日、学校から帰るとお母さんに頼んで髪を切ってもらった。


「えへへーお揃いにしちゃった」


そんな事もあって、私達は1番の友達になった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「暑いねー」


「プールは涼しかったけどね、」


夏休み、プールの帰り道で私達はナツを見つけた。



「珍しいね、赤色だ」


「…食べたら美味しいかな…?」


「いやいや食べれないでしょ、とりあえず、家に行こう、」



なおちゃんのお家で手当てして、しばらく様子を見ることにした。

なおちゃんのお母さんは最初反対したが、今ではお母さんが1番可愛がっているらしい。


「名前何にしようか、」


「うーん…トリィさん?」


「だったら、なおの、「な」と、みつきの「つ」でナツはどう?ちょうど夏だし!ね!」


「いいね!早く元気になってね、ナツ」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



小学校を卒業する頃から、なおちゃんは私を避け始めた。

縮まっていたはずの距離はまた少しずつ広がっていった。



「それで、なおちゃんと話そうと思って、お家に行ったんだけど、」


(あんたなんか、友達じゃないし、顔も見たくない!)


ドア越しに聞いた。拒絶の言葉は心を抉った。


「…私、ばかだから、知らない間に傷つけたのかなぁ…」


家に着いて、お兄ちゃんと真守さんとナツに話した。



「違う、なお殿は、いつも美月殿の話をしてくれた。楽しそうに。」


「ナツ…?」


「美月殿の話をするとき、花が咲き誇るように楽しそうにしゃべる、ただ、最近美月殿との写真を見ては泣いて、謝っていた、ひたすらに、ごめんなさいと、」



「そして、私を逃した。美月を守って欲しいと、言われた。」


(ナツ、お願い、美月を守って、お願い、お願いっ…!)




「私、やっぱり馬鹿だ、なおちゃん一人で苦しんでるのに、何もできない、ねぇ

お兄ちゃん、私、なおちゃんと仲直りしたいし、今、何が起きてるのかも、ちゃんと知りたい、なおちゃんはたった一人の、親友だから、」


「分かった、できる事はやろう、そして、何が起きてるかも、調べよう。」



∴すきよ、だいすきよ、だからおねがい、わたしをわすれて














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