LinK14
「続いてのニュースです。政府はアンドロイド、アンダーロイドを回収し、処分する事を決定しました。…」
「ただいまー」
「おじゃまします…」
家に帰るとお母さんが電話をしていた。
「そうですか、すみません、ありがとうございます、」
電話を切るとお母さんは俺に言った。
「拓人!美月見てない?まだ帰ってきてなくて、」
美月は妹だ。
最近中学にあがったばかりだ。
お母さんは青ざめてる。
「俺、探してくるよ、まーくんも、一緒に探してくれないか?」
「構わない。けど、どんな子なんだ?」
「すっげー俺に似てる。で、白い花のヘアピンしてる。背はこんくらい、何かあったら俺かメグに連絡して、」
鞄を玄関に置いたまま、俺達は美月を探しに行った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
美月はすぐ見つかった。
近くの公園にいたところをまーくんが見つけてくれた。
「遅くまでどこに行ってたんだ!心配したんだぞ!」
「……」
美月の肩に赤い羽をもった鳥がいた。
「美月…?」
だなは俺の頭の上で、すぴょすぴょ寝てる。呑気なものだ。
美月の目から涙が溢れでた。
すると肩にいた鳥が涙を舐めた。まるで泣くなというように。その時だった。
ぼふん!と白い煙があがった。まーくんも美月も咳き込んだ。
「美月!」
「主の名は美月というのか。」
朱色の髪をなびかせた男性が出てきた。
「…ナツ…?」
1番驚いていたのは美月だった。
すると鼻提灯がパチン!と破裂する音と「ふごっ」と声がした。
ナツさんは俺の方を見ると驚いた顔をした。
「…青…龍…?」
ナツさんはだなを知ってるみたいだった。
「朱雀…!?なんでここにいるんだな?」
「…怪我したところ、主達が助けてくれたんだ」
「ほーう、人嫌いな朱雀が以外なんだな〜」
にやにや。によによ。だなは笑ってる。
「ナツ!お願い!なおちゃんを助けてっ…!お願い、お願い…」
なおちゃんは美月の友達だ。
家によく遊びにきてた子で、美月とは正反対の性格で、活発な子だ。
「…ここじゃ何だし、一旦家に帰ろう。まーくんも、ありがとう、」
「…気になってたんだが、その、まーくんって、」
「だって聖川じゃ他人すぎるし、真守だろ、だからまーくん!」
「……」
「あの、えっと、その、よ、よろしくお願いします?白石美月です、」
「…聖川真守だ、よろしく、」
「仲良くしてくれよ!」
そう言って、皆で笑った。
その日見た月は1番綺麗だった。
∴あなたの知らぬ間に星は消えた