表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LinK  作者: 及川有紀子
1/27

LinK1


その日は空がとても青かったのを覚えている。


「拓人、準備出来たか?そろそろ行くぞー」 


「はーい!」


アンドロイドと共存する時代。



その日は入院している母に会いに行く日だった。


受け付けをしている父をよそに、早く母に会いたくて

気付いたら走りだしていた。


「こんにちは、拓人くん、お母さんのお見舞い?」


「おねえちゃんこんにちは!そうだよ!ママに会いにきたの!」


「早く会いたいのは分かるけど、病院は走っちゃ駄目よ、あ、これあげる」


「ありがとう、おねえちゃん」

ポケットからは空色の包に入ったキャンディ。

おねえちゃんはニコニコ笑ってまたね、と、ナースステーションに戻ってしまった。おねえちゃんはアンドロイドだったが、優しく接してくれるので、大好きだった。


「こら拓人、勝手に行っちゃ駄目だろう。」


「ごめんなさい、パパ」


「分かれば良し、入ろうか」


撫でてくれる父の手、


「いらっしゃい、拓人、」


柔らかく笑う母


「あら、さっきぶりね、ふふ。」


検査中の母とアンドロイドのナースのおねえちゃん、生まれてくる妹

きっとこれからも、幸せなんだと思っていた。


突然電気が消え、おねえちゃんが動かなくなった。


「…?おねえちゃん…?」


次の瞬間、突然母の首を締め始めた。

あの、優しかったおねえちゃんが、


父が離した事で母は無事だった、けど、


「早く…!逃げてください…!何者かがプログラムを…!あああっ!!」


他のアンドロイドのナースも、同じように苦しみはじめ、

暴走し始めた。



暴走し始めたアンドロイドを止めたのは

北青学園の生徒たちだった。


数時間後に鎮圧されたアンドロイドたちは全て処分された。



病院に行けばいつも笑ってくれたおねえちゃんを、

俺は助けてあげられなかった。

だから、俺はアンドロイドを助けられる人間に、なりたい。



だから。


「俺は、北青学園に行くよ。」


全てはここからはじまった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ