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モザイク〜MOSAIC  作者: AKI
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大事な手紙

R15作品ですが1話目はまだ、そういった描写はありません。初投稿なので小説の基本などは全くわからないので、ちょっと短いかも知れませんが、お手柔らかにお願いします。こんなテーマの小説ですが男が書いているので、女性からお叱りを受けるかもとビクビクしています。

ー何もしたくない。1985年、夏ー


ー出来る事ならば二十歳になったら・・いや、あと五年くらいは・・やっぱいいや。ー


人間ひとりひとりの人生なんて、所詮は神さまたちの暇つぶしで成り立っているに過ぎない。このゲームが得意な神さまも居れば、不得意な神さまもいるはずで、世間を賑わす凶悪な犯罪者も言うなれば、このゲームが不得意な神さまが操作しているからだ。こんな事を言う私を操作しているのも、きっとそんな神さまなのだ。私はスッキリした。また明日になればすぐに、今夜と同じような気待ちになってしまうのに。。。



母『色葉〜。朝ご飯〜。』


色葉(いろは)・・私の名前だ。性は白瀬(しらせ)

私は一応『はーい』と返事をする。そうすれば、母の声が止むからだ。40分程経てば、学校に登校するために茶の間には行かずに、玄関を目指す。母が嫌いだからだ。何故かって?理由はたくさんある。


まず最初に、妹を溺愛し過ぎて私には冷たく当たっているような気がするからで、朝ご飯を食べたくないのも、居心地が悪いから。次の理由は、私の好きな人たちを頑なに否定するからだ。有名なフォーク歌手は10年くらい前にクスリで逮捕されたからダメ。じゃあ、あのチェック柄のアイドルバンドは?チャラチャラしているからダメ。じゃあ、ぶりっ子ちゃんは?裏がありそうだからダメ。自分は自分で私のお父さんと離婚した理由も話さないくせに。妹は離婚して4ヶ月くらいで産まれた。つまりはそう言う事なのだろう。


何だかんだ言っている内に学校に着いた。

私はこう見えて女子高生。家の外では、健気に振舞っているから、私の心が大人びている事に気付いている人は少ない。例えば、同級生で友人の

柳田公子(やなぎだきみこ)》くらい。


公子『あっ、色葉おはよう!』


私『おはよー。』


朝から元気だ。羨ましいような、気の毒のような、変な気持ちになる。


公子『新曲聴いた?ロカビリーナイト。』


私『うん、聴いたよ』


テレビのランキング番組を観るのが1週間の楽しみだから、当然だ。


公子『この曲の歌詞どう思う?私たち青春を通り過ぎちゃったら、イマを懐かしく思っちゃうのかな?』


来たよ。朝から早々、人生観の話。


私『やっぱり、思っちゃうんじゃない。青春って長い人生の中の10%くらいだし、青春を通り過ぎたら、あと60%は仕事に追われて、残りの20%は暇だよ。最初の10%は守られすぎて窮屈だしね。』


チャイムの音が響く。


普通の子は普通に席に着いて、真面目な子は急いで席に着く。不良(ワル)を気取りたいのならば、扉の前でウンコ座りでおしゃべり。

私たちは普通の子のようだ。


ーガラガラガラー


戸田『おわっ!』


人見『なんだよ、戸田。授業すんの?じゃあ、俺らトイレ行ってきまーす。おい、増田、室伏、行こうぜ。』


また、やってる。


人見大輔(ひとみだいすけ)》普通の生徒たちは、彼の事をウンコマンってあだ名してる。もちろん、言葉には出さないけど。

増岡一也(ますおかかずや)》人見の部下その1ってあだ名されてる。ブサイク

室伏東(むろふしあずま)》人見の部下その2ってあだ名されてる。顔はカッコいい。


1週間の内に4日くらいはこの光景を見る。特に《戸田弘(とだひろし)》先生が1限目だと必ず、こういう事になる。


戸田『・・・なぁ、お前ら。俺って教師に向いていないのかな・・・。』


柳田『そんなことないですよ、先生。早く授業してよ。』


正論だ。私たちにとって、先生、大人の悩みなんてどうでもいいのだ。私たちに何かしらの利益を与えてくれるだけでいい。この場合は、期末試験の現代文に出題される箇所の確認を兼ねた授業をしてくれるだけで十分だ。


戸田『そうか!ありがとう柳田!よーし・・お前ら40ページを開け!!』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

男子トイレにて


人見『それでよ、麻里のやつ。子供が出来ちゃったらどうするのよって泣いてやんの。中途半端にツッパんなよって話だよな。』


室伏『麻里どうしてんの?今週も学校に来なかったじゃん。』


人見『知らねぇよ。』


増岡『もう、別れたって事?』


室伏『じゃあ、次は俺が面倒見てやりてぇな。』


人見『待てよ、誰も別れたなんて言ってないだろ。放課後、あいつの家に行ってみようぜ。気強いけど、いい女だしな。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大山『それじゃ、今日の授業はこれで終了。

無駄な寄り道しちゃダメよ。まだ、あなたたち、高校生なんだから。』


高校生なんだから。だってさ。担任の《大山貴子(おおやまたかこ)》先生は、私たちが小学生か中学生に見えるらしい。


大山『ああ、白瀬さん。この手紙、藤浪さんの家に届けてちょうだい。』


私『えー、なんで私なんですか。』


大山『あなた、彼女の家の前通るじゃない。それに帰宅部だし、あなたが適任なの。』


適任?私は《藤浪麻里(ふじなみまり)》みたいな不良とはあまり面識がない。というよりむしろ、苦手なタイプだ。


大山『手渡してね。大事な手紙だから。それじゃ、よろしくね。』


大事な手紙って何の手紙だろうか?素行不良で退学の警告?お人好しな大山先生の事だ。そういう内容だろう。藤浪の事だから、そんな手紙渡したところで、彼女の素行が改善されるとは思えない。手渡しの必要もないだろう。


私は彼女の家のポストに”大事な手紙”を入れた。入れてしまった。

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