バンドしようぜ
私、人見、藤浪、佐村は、停学処分となった。私と人見は不純異性交遊。藤浪と佐村は窃盗と無免許運転の2人乗り、それと器物破損と暴力行為。初めて、停学処分になってしまった私は、立場的なことや初めてということもあって、3人よりも軽い処分となった。
公子『被害者なのに散々ね(笑)』
私『ねー、先生たちは何にも知らないくせにね。』
私は嫌味を言いながら、ちらりと先生を見た。
公子『一体何があったの?友達なんだから教えてよ。』
私『じゃあね。月曜日に教えてあげる。その代わり、公子も彼との夜のこと教えてよ。』
公子『も?ということは・・・。』
公子がにやにやしながら言った。
私『秘密。月曜日になったら教えてあげる。』
私はぎこちなく、出来もしないウインクをしてみた。
公子『ぷっ、へったくそ(笑)』
公子は私に、ウインクっていうのはこうするのよ!!という感じにウインクをしてみせた。
私『公子も出来てないじゃん(笑)』
やっぱり、友達というのは要るに越したことはない。私は心の中でそう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人見『純愛もダメなのか・・・。』
麻里『アレが純愛だったのかは、わからないよ?』
人見『どういうことだ?』
麻里『女の子って冒険心が強いから。』
人見『お前も変わったよな。”女の子”だってよ。』
麻里『”女の子”は心変わりも早いから、気をつけなよ。』
麻里は人見のおでこを人差し指でちょんと押した。
佐村『なぁ、日曜日の弾き語りどうするよ。』
麻里『あ、そういえばそうだった。』
人見『弾き語りって、この前言ってたやつか?お前ギター弾けんの?』
佐村『これでも元バンドマンだからな。』
麻里『(追い出されたくせに・・・。』
人見『俺、ドラム少しかじってんだよ。』
佐村『本当に?それじゃ、バンド結成出来るんじゃねぇか?』
麻里『でも、ベースとボーカルはどうするの?キーボードも居た方が華やかだよ。』
佐村『お前は何か出来ないの?』
麻里『私はリコーダーしか吹けないよ。しかも楽譜無しで吹けるのはチャルメラだけ。』
人見『なんだよ。女の子なんだろ、ピアノとか弾けないのかよ。』
麻里『女の子・・・。うちのクラスの女の子に鍵盤叩ける子いるんじゃない?』
佐村『じゃあ、ベースは昔の仲間に掛け合ってみるから、キーボードとボーカルは、そっちでよろしく。』
佐村はそう言い、溜まり場のスタジオ方面へと向かった。・・・あれ?私たち、なんでバンドを作ろうとしてるの?話がずれてきてない?・・・ま、いっか。どうせ停学でまた暇だし。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガチャ・・・
私『ただいまー。・・・って、誰もいないか。』
私は家に帰ってきた。リビングには食べかけのお皿と洗濯物が転がっていた。
私『やっぱり、嫌い。』
私は洗濯物をかき集めて、洗濯機に放り投げた。
私『はぁ・・・。』
ため息をつきながら、お皿の片付けに入ろうとしたとき、ふと目に付いた。
私『煙草だ・・・。』
それは、大嫌いな母の煙草だった。
私『本数は・・・。』
本数を数えると、あの晩、私が吸ってから、ちょうど1本だけ減っていた。私は自分の部屋に駆け込んだ。
私『・・・ライターがない。』
あの日、拝借したライターがなくなっていた。大嫌いな母にばれたのかな・・・。私は不安だった。怒られるのが不安だったのではなく、あの母に同類だと思われるのが不安だったのだ。
ピンポーン・・・
呼び鈴が鳴ってる。私はカーテン越しに外を見た。すると、人見と藤浪が手を振っていた。居留守は通じないみたい。
ガチャ・・・
私『なに?』
人見『あんな、バンドのメンバー探してんだけど、お前、何か出来るか?』
バンド?メンバー?今日、停学を言い渡されたのに、何を言ってるんだ。さすがに、もう慣れっこなのだろうか・・・。私が呆気に取られていると麻里が口を開いた。
麻里『白瀬は鍵盤叩ける?』
私『鍵盤ってピアノのこと?』
麻里『そうだけど、キーボード弾ける人を探してるの。どう?』
私『私は弾けないけど、公子・・・あのー、柳田さんなら、確か弾けたはずだよ。』
麻里『柳田?柳田は日曜日暇なの?』
あ、そうだった。日曜日は約束があるんだった。
私『日曜日は都合が悪いみたい。でも、なんで日曜日?』
人見『弾き語りだよ、弾き語り。』
麻里『弾き語りから色々あってバンドをしようってなったの。』
弾き語りからバンドに・・・。ポジティブ思考って本当に羨ましいなー、尊敬しちゃうなー。
麻里『白瀬って、歌上手いの?』
私『そこそこかな・・・。』
麻里『じゃあ決定!!』
・・・。・・・。・・・。えっーー!!!
私『け、決定って、もしかして・・・。』
麻里『私のバンドのボーカルよろしくね。私はマネージャー兼作詞するから。』
私『ちょ、ちょっと待って・・・。』
麻里『キーボードは居なくても問題ないから。バーイバーイ!!』
ポジティブ嫌い・・・。
ーーーーーーーーー日曜日ーーーーーーーー
私は緊張していた。発表会でもないのに。
麻里『白瀬ー!!こっち、こっち。』
マネージャーが呼んでる。
人見『よっ。』
私『あ、はは、ははは。』
佐村『ベース捕まえてきたぞ。』
そう言う佐村の横には、漫画で見るような、ベタベタロックンローラーが居た。
鈴木『どーも、鈴木智大二十歳、乗り気じゃないけどヨロシク。』
私『は、はは、よ、よろしくお願いします。』
佐村『曲書いてきた?』
麻里『うん。白瀬をイメージして書いたよ。』
私『ははは。(あっ、そう。)』
私たちは貸しスタジオへ向かった。バンドに変更したから公園では出来なかったからだ。
うー・・・頭が痛い。




