初体験
1985年7月30日 白瀬色葉17歳 処女を捨てる。キッカケは、色々ありすぎて悲しくなる。藤浪や公子、美知に、大嫌いなお母さん。私の中の私。
仰向けの私に人見が覆いかぶさろうとしている。あ、シャツを脱いだ。
私『私、どうすればいいの?』
人見『目を閉じてればいいんだよ。』
私は言われた通りに目を閉じた。小さいのか、大きいのか、微妙な大きさの胸を触られてる。
人見『意外に大きいんだな。』
誰と比べているのかは知らないけれど、なんだか嬉しい。そういえば、褒められることなんて最近なかった。だからだ。
人見『脱がしていいか?』
私『下?』
人見は私の制服を脱がした。私は、本能的に胸と局部を手で隠していた。その手を、そっと人見が握る。
人見『後悔してんのか?』
私は少し考えて、首を横に振った。後悔してるわけじゃなくて、怖いだけなんだ。私は自分自身にそう言い聞かせた。
人見『いいんだな?』
私『でも、そっとね。痛そうだから・・・。』
私の中に何かが入ってくる。・・・痛い。
人見『大丈夫か?』
私『・・・うん。』
我慢しなくちゃ。大人になれないから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
母『・・・はい。今日はすいませんでした。・・・えっ、クビ・・・?たった1日じゃないですか。ウチみたいな店は幾らでもあるからって・・・。あ、あの私・・・。』
電話が切れた。
母『・・・あの時、見送らなければ良かったんだ。』
ーーーーーーーー13年前ーーーーーーーーー
母『明日から、しばらくお別れね。』
父『ああ。色葉はどうするんだ?』
母『私と居たいって言ってた。』
父『腹の子もいるのに・・・。』
母『でも、いくらあなたと一緒でも、4歳の女の子が海を渡るっていうのは、ちょっと不安で・・・。』
父『そうだよな・・・。女の子だもんな・・・。じゃあ、色葉とお腹の中の赤ちゃんを頼むな。』
母『うん、夢を叶えてきてね。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれが最後の別れになってしまった。悪い知らせが届いたのは、色葉が小学1年生の頃だった。
色葉『ただいまー。あれ、どうしたの?』
母『・・・おかえり。・・・なんでもないの。』
色葉『ママ、涙出てるよ?』
母『大丈夫。ほ、ほら、美知と遊んであげて。』
色葉『・・・うん。』
夫は発展途上国の子供たちに教育を受けさせるのが夢だった。そんな夫は私と出会う前から貯金を貯めていたらしく、ある日突然、夢を実現したいと言われた時は夫婦喧嘩になったこともある。そんな私が夫の夢の手助けをしたのは、必ず夢を叶えて、帰ってくると私に約束してくれたから。なのに、悪い知らせが届いた。内容は現地の女性と親密な関係になってしばらく帰ることが出来ないというものだった。あれから、今まで新しい手紙は届かない。
だから色葉には失敗して欲しくなかった・・・。17歳同士なんて早すぎるよ・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人見『ほら、煙草。』
私『ありがとう。』
人見『そんなにお袋が嫌いなのか?』
私『うん、大嫌い。』
人見『そうか、俺は好きだったんだけどなー、お袋。親父はどうしようもなかったけど。』
私『お母さんどうしてるの?』
人見『事故で親父諸共、ドカーンだってよ。』
私『・・・。』
人見『黙り込むなよ、婆ちゃんと爺ちゃんは健在だから、寂しくはねぇよ。』
私『今何時?明日、水曜日でしょ。』
人見『もう水曜日の午前0時。』
私『えっ、もうそんな時間?』
人見『なんだかんだで緊張してたんだろ?』
私『そうみたいだね。』
私は裸のまま、人見の横で眠りについた。もう家には帰りたくない。でも、手ぶらで飛び出しちゃったから、鞄とか教科書とかどうしよう・・・。




