webclap the 6th
拍手小話の再掲です
■すいかはんぶんこ
私、スイカが大好きなの。半分に切ったのをそのままスプーンですくって全部食べるのが夢。
春にそんなことを言っていたのを思い出して、夏の彼女の誕生日に丸ごと1個プレゼントした。
「先輩、これ持ったまま電車に乗って学校来たんですか……」
「そうだけど」
「私もこれ持ったまま電車に乗って帰らなきゃですよね」
「うんでも俺も一緒にいくよ」
だって、残りの半分は俺が食べるつもりだからね!(できれば君も)
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結果トイレに交代で籠るw
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■苺といつまでも
私が苺が嫌い。
だから給食や、誕生会(ショートケーキに苺はつきものだ)では
幼稚園から一緒の男の子にいっつも食べてもらっていた。
「ありがとう」って言うと
「おれもありがとう」って返ってくる。
「お前といれば苺をひとりぶん多くたべれる。だからずっと一緒にいる」
そう言った彼と、来月私は結婚する。
でも、まさか、ホントに苺目当てじゃないよね?
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まさかの苺目当て(嘘です)
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■きんぎょすくい
こう言っちゃなんだが、タチの悪そうな子供だった。
その子の網から金魚たちは必死で逃げてるように見えた。
だから、本当は獲れなくても最後に一匹あげるんだけど
代わりにキラキラのスーパーボールをその子にあげてその場をとりなした。
『ありがとう』
ふいに声が聞こえた。
これがホントの金魚救い
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このあと人化金魚との恋愛Fへ続
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■La glace des rois(王様のアイスクリーム)
その日私は彼とコーンのアイスクリームを食べていた。
コーンアイスは食べれるけどちょっとしたトラウマがある。
子どもの頃、アイスを食べていたときに抜けた乳歯をコーンと思ってそのまま食べてしまったのだ。
別に大事はないけど母の驚きように大泣きした憶えがある。
その話を彼にしたら
「えっ!」って大慌て。
すると食べていたアイスが口の中でガリっ!
「うっ!」
げぇって口から出したそれは、小さいダイヤのついた指輪だった。
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実際危険なのでやらないで下さい
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■たった一人の君へ
「観たよ、テレビ」
スマホから彼女の柔らかな声が響く。
「彼の歌声もいいとは思うんだけど……」
毎回彼女は同じ感想を漏らす。
「やっぱり私はあなたのベースの音しか耳に入ってこないのよね」
今日もしびれる音だった、と笑っている顔が想像できる声で。
一番人気はボーカルのあいつだけど、昔っから君は俺だけを見てた。
あいつは恋人含めファンみんなに歌ってるとは思うけど。
俺はいつも君だけの為にベースを弾いてる。
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某音楽番組をみていて、ふと
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■アルコール・ブギ
酒の力は偉大だ。
日頃喧嘩ばかりの妹が妙に可愛く見える。
「あーちゃん、かーわーいーいー」
「マジ気持ち悪い。やめて酔っ払い」
母親にもつい感謝してしまう。
「いっつもパンツ洗ってくれてありがとう!」
「パンツ以外も洗ってるけど、どういたしまして」
父親には……絡むのはやめておこう。
「いい年頃の娘が酔っぱらって帰ってくるなんてみっともない!」
ごめんなさ~い。
そして、彼。
「あいしてるよー」
「いつか素面で言ってね」
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多分、言わない(言えない)
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■(n)ice catch!
夏の暑い休日、
アイスショップでダブルコーンを買った私。
ペロリと食べようとして、ポロリと上のアイスが丸ごと落下!
……する寸前を向かいから来た見知らぬ男子が両手でキャッチ!
「……」
「……」
どうするよ、そ(こ)れ……
お互い顔を見合わせて、笑うしかなかった。
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このあと
1 またコーンに平然と乗っけた
2 彼がそのまま食べた
3 アリさんにあげた
さあ、どれだ!
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暫く書きためてまいります
またの機会にお会いしましょう!




