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72 虫愛づる女子高生

ちょっとだけ虫注意。

 

 昼休みの教室で、女子生徒のつんざく悲鳴が轟いた。

「ぎゃー!! ゴ、ゴキ……!」

 見ると、教室の後ろドアのレール部分に確かに黒い虫。え、でもあれは……。

「誰か男子! 早くやっつけて!」

 彼女が近くの体格のいい男子の腕を引っ張る。けれど、オレ虫ダメなんだよぅ、と意外な反応。そこに、任せて! 部室によく出るし! と勇ましく野球部の女子マネがどこから出したかスリッパ片手にやってきた。振り下ろそうとして、


「ダメッ!!」


 咄嗟に私はその虫を捕まえ、両手で囲った。


 シーンとなる教室。集まる視線。ち、違うんだよ、だってこの子は。




「さっきは僕を助けてくれてありがとう」

 放課後、昇降口で話しかけられる。

「は?」

「おかげで殺されずに済みました」

 私の記憶が正しければ、目の前でニコニコ立っているこの人はサッカー部の3年生のはず。

「私が助けたのはカブトムシの“メス”ですよ……」

「あはっやっぱ設定にちょっと無理あったか。昼に廊下からたまたま見てたんだけど、キミ女の子なのに虫平気なんだね。ていうか好きでしょうあれは」

「変ですかね……」

「いや、すごく好み。明日の早朝、ヒマ?」

「は?」



 翌日早朝4時。

 私はいそいそと昆虫採集デートに出かける。





カブトやクワガタは夜行性なので日没後~日の出前が活動時間です

彼はオオクワガタをどーーーーしても捕まえたいとのこと

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