66 夏恋サイダー 4
違う高校に進学した幼なじみ兼恋人が最近おかしい。なんだか男の影がする。
焦った。あんな浅慮で後先考えない、直情的で猪突猛進型の彼女を好くような男が俺以外にいるのかと。
そしたら相手は女だった。ほっとしたものの気に入らない。
「酷いな。俺のこと忘れて女の先輩に夢中になるなんて」
普段の穏やかな自分を装って言うと、焦った様子で
「ご、ごめん。先輩と瞬は全然違うから」と珍しく彼女からキスしてきた。
うん、悪くない。
でも、少し細工しとくか。
もう一人の幼なじみは由花と同じ真直ぐな気性で、嗜好も似ている。だから逆に二人は付き合うことなく、俺は由花とは恋人に、洋介とは親友になった。
由花が好いた人間、ということは洋介にもストライクなんじゃないか?
そんなわけで夏休みのとある日、ちょっと洋介に弱って見せたところ、正義感強い幼なじみはあっという間に由花の学校に乗り込んで、あっという間に惚れ込んできた。ここまでチョロいと笑えるのを越して心配になる。
ま、アキラ先輩とやらの好みは知らないから洋介が彼女を落とせるかどうかは怪しいが、とりあえず由花の邪魔はしてくれそうだ。
つくづく扱い易い。弾けたサイダーの様に眩しい、恋人と親友。
夏恋はここまでです
■登場人物について
晶…実は男子にもモテるけど女子にはその100倍モテる。性格もイケメン(たらし素質アリ)
洋介…真っ直ぐな気性が長所でもあり短所でもある。扱い方さえ心得ればなかなかイイ男なのかも
由花…瞬の評定通り。洋介と組むとある意味最強(最凶)
瞬…冷静・穏やかだけどシャツをめくると腹真っ黒。だから洋介や由花のような人間に惹かれる
つまり、今回の騒動は、アフォな彼女が女の先輩にキャー言ってそれに妬いた腹黒彼氏が単細胞幼なじみを使って憂さ晴らしw先輩巻き込まれてお気の毒、っていう話




