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56 彼は手腕家

 

「着きましたよ先輩、ほら鍵出して」

「うう~……」


 先輩が担当した大口契約が無事済んで、支店のみんなで打ち上げに行った。そうしたら普段お酒の強い先輩が珍しくそこで潰れてしまった。どうして男手が残っているうちに倒れないんだ! 最後の最後で人事不省に陥るなんて!


 支店長が私にタクシーチケットを渡す。

「方向一緒だろ、タクシーで送ってやって。部屋にぶち込めばいいから」

 ほら来たー。もうー。


 仰る通りマンションにぶち込んですぐ帰ろうとしたんだけど、吐いてるらしくトイレに籠って出てこない。

 一応心配で帰るに帰れず、たまに水を渡したりしながら結局リビングのソファで一晩明かしてしまった。


 もちろん何も無い。なんっにも。全く。皆無。

 でも余計なことは言わない方がいいだろうと黙っていたのに、週明けに当の本人が周りに触れ回っていた。

「いや参った参った。一晩介抱してもらっちゃったよ。いや、何も無いよ何も」

 ヤメテ。その言い方かえって怪しいから。




 そして、噂に絡めとられている内に、私はいつしか本当にその部屋に堂々と出入りする立場の人間になってしまった。


 外堀から埋められていたんだね!

 さすが大口契約まとめるだけあるね!




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