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51 ゴミ箱より愛をこめて

 

 休日に兄夫婦と街中で買い物して別れた帰り道。横切ったでかい公園の隅のそこに、見覚えのある後姿がごそごそしているのが見えた。


「何してんの」


 でっかくて丸い金網のゴミ箱を漁っていた彼女は吃驚して振り向いて、俺の顔と何故かその背後を覗いてから答えた。


「落し物探してるの」

「ゴミ箱に落としたの?」

「うんまあ、自主的に」

「それ捨てたって言うんじゃ?」

「そうとも言う。でも気が変わって拾うことにしたの」


 そのうち彼女が見つけて拾い上げたものは、どう見ても誰かへのプレゼントで。


「はい」

「え?」

「誕プレ。さっきあなたが女の人と歩いてるの見て衝動的に捨てちゃったけど、勿体ないから拾いに来たの。まさか本人に漁ってるとこ見られるとは思わなかったけど、まあ折角だから。……あ、なんか汁ついてる」

 まいっか包装紙だし、と彼女はぐいとそれを俺に押し付け、じゃ、と去ろうとした。その手を掴む。


 このプレゼントはどう見たって何かの意味があるはず、捨てたことも含め。それを彼女の口から聞きたい。

 彼女が言いやすいように、俺はさっき彼女が見たのはおそらく兄嫁だと説明した。


「え……」


 さあ、誤解は解いた。どうぞ、そのまま気持ちを伝えて。







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