5 あーん
文化祭前夜。高校最後のお祭りとあって、今日だけは保護者印を押した届を各個人が出せば21時半まで残っていいことになっている。
「お疲れ~。ドーナツ買ってきたよ~」
買出組が戻ってきた。夕飯は18時頃コンビニおにぎりなどで済ませたが、20時ぐらいにはまた甘いものが欲しくなるものだ。
「いちにい、え、足りないじゃん」
「えー」
初歩的ミス。
「じゃあ俺とこいつで1コを半分つするからいいよ」
幼なじみの彼が私を指さし、ポン・〇・リングをひとつ取った。
彼はドーナツの丸い節をひとつ千切っては「ほい」と私の口に放り込み、ひとつ千切っては自分で食べ、またひとつ千切っては私の口に……、とここでハタと周りの視線に気づいた。
「な、なんか目線に困る食べ方するね、あんたたち」
「半分ことか言うからてっきり普通にぱっくり割るかと思いきや」
しまった。つい子供の頃からのクセで……。
「あれ? もしかして付き合ってる?」
つきあってません!! 懸命に否定するも、いや~どうかんがえてもバカップルの所業でしょそれ、とか付き合ってなくてそれとか有り得ないから、とかで目出度くカップル認定されました。