42 one←way←love←days
学校帰りの夕方の駅のホームでケバい女子高生に声をかけられた。だがほぼスルー。
自慢じゃないがこういうことは結構多い。何も知らないくせに、と毒づくが、しかしその毒はブーメランだ。自分自身も、何も知らないくせに、と“彼女”に声をかける勇気を持てないでいる。
*
「最近どーよ、“ジャージの君”は」
「……」
金曜(今朝)以外の朝の電車で見かけるジャージ姿の女の子。少し早めの人の少ない電車とは言えちょんまげにジャージで乗ってくるから印象的で。立ったまま寝ていたり、たまにバッグからおにぎりを出してこっそり食べたり(車内には海苔の匂いがほんのり漂った)、友達が乗ってくると笑顔でじゃれたり。そんな彼女のことをつい友人に話したのが拙かった。
その日の帰り、友人と寄り道をしたからかいつもは会わない彼女に電車で会った。俺の視線に気づいた奴が彼女を見て「ジャージの君!?」と叫ぶ。このバカ! 彼女も気づいてこっちを見てポカンとしている。
「いつも朝こいつと電車で会うよね。こいつずっと君に片思いしてて」
「バカお前!」
俺は友人の頭を殴ってそのまま引き摺って逃げる。情けない。
こっそり振り向くと彼女は自分のちょんまげを抑えていた。
このあと彼はケバい女子高生とジャージの君の間を行ったり来たり…?
いま脳内こねくり回してます。独立したお話にまとめたい。




