表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/114

34 マケズキライ 4

 

 三郎への気持ちを自覚したものの、散々威張って連れ回して蹴散らかしてどうして今更言えようか。女王様よりお姫様がいいに決まってる。勝負も終わりにしたい。しかしいきなり終わりにするのも不自然だから、三郎に勝たせてしまおう。


「三郎、勝負しよ」


 最後の勝負は、最初の勝負だったエアホッケー。勝てよ、三郎……!

 しかし無情にも私が勝ってしまった。こんなときでも勝ってしまう自分が憎い。いや最近気づいたのだが、実は私は手抜きができないという厄介な欠点があった。


「三郎、もう勝負はおしまい」

 え? と三郎が目を瞠る。

「三郎が勝ったらおしまいって言ってたでしょう? 今日で終わり」

「なんで? ニコちゃんが勝ったじゃないか」

 私は首を振った。



「先に惚れた方が負け、って言うでしょ?」



 言った。言ってしまった。

 ところが三郎は、声をあげて笑ったのだ! 人の告白を!

 真っ赤になってワナワナしている私の手を三郎が取る。

「残念、ニコちゃん。やっぱり君はどうしても勝ち続けてしまうらしい」

「へ?」

「俺は入学式でニコちゃんに一目惚れしてるからね。俺の負けでしょ?」



 結局、私は三郎には敵わない、ということらしい。



 

 



■オマケ


「ニコちゃん、キスしてもいい?」

三郎が、トイレ行ってきてもいい? ぐらいの気安さで聞いてきた。

「ダ、ダメ!」

「…………」

そんな顔してもダメ! ダメったらダメ!


「…………」

「わ、わかった勝負だ三郎、私に勝ったらしていいよ!」


そうして再び勝負したエアホッケーで、私はなんと惨敗を喫した。

「どっ、どういうこと!?」

真っ青になってワナワナしている私を、三郎は「まあまあ」と笑顔でいなして、

その場で(その場で!)私にちゅっとキスをした。


どういうことーー!!



──────────────────────────

 どういうこと……|д・)



*さて、今日の拍手はそんなふたりの出会いです(→現在は webclap the third ! に移っております)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ