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32 マケズキライ 2

 

「三郎! 勝負だ!」

「今度はなに……」


 三郎の“負け好き”発言から、私は今度は“負けること”を目指した。ただ、手を抜いて負けるのはダメ。真剣にやって、負けて、そしてそれをにっこり笑って受け止める。それをやってみたいのだ。そしてその私を負かす相手は三郎でなくてはならない。なぜって? あのときのリベンジだ。試合に負けて勝負に勝ちたいからだ。


「それって既に負けず嫌い発症してるよね」

 友人が呆れた態で言う。

「深く考えないで。一度きちんと負ければ気が済むから」

「でも勝ち続けてるんでしょ?」

 そうなのだ。三郎とはあれからボウリング、ビリヤード、ストラックアウトから遂にはトランプの神経衰弱に山手線ゲームまで勝負したが、いつも私が勝ってしまう。何故だ。器用な自分が憎い。

「あ! 三郎! こっち来て!」

「げ、ニコちゃん」

 学食に現れた三郎を無理やり一緒のテーブルに座らせる。メモを取り出し「これやろう!」と線引きゲームをしたがやはり勝ってしまった。勝ちのパターンがあるというのにわからないの!?

「三郎! 何なら勝てるの!?」

「うーん、うーん、うーん…………」

 ダメだこりゃ。


 でも、諦めません、負けるまでは!




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