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31 マケズキライ

 

 私は自他共に認める気の強い女で、下手に器用で要領がよく何でもできてしまうので更にそれに拍車がかかる。もちろん何事も負けるのは大っ嫌い。負けるなんてカッコ悪い。


 さて、ここはとあるゲームセンターである。ゼミ仲間と訪れたそこのエアホッケーコーナーで、私は破竹の4連勝中であった。次の相手は彼。知り合ってまだ日は浅いが日頃の彼から鑑みる性質・技能からして、手強いだろうと踏んだ私は殊更全力で勝負にあたる。

 そこそこ点を取り合い白熱したけれど、結局2点差で私が勝利した。


「やったー! どうだ見たか私の華麗な……、華麗な……ラケット捌きを!」

「マレットね、ラケットじゃなくて」

「──マレットって言いましたー!」

 彼はフッと笑みをこぼして「しかし気合入ってたねえ」と言う。

「そうだよ! 私、負けず嫌いなの!」

 鼻息荒く言う私に、彼は極穏やかに柔らかく返した。


「俺、負けき」

「…………」



 試合に勝って勝負に負けたってこういうことなのかな。




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