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web clap second!

拍手の再録です

【ロシアンおにぎりルーレット】


さあ、この5個のおにぎりの中のどれか1つが当たり。

それを当てたらキスしてあげる。

確率は5分の1。彼は超真剣だ。


「これだあっ!!」


がつがつ食べたおにぎりの、果たしてその中身はなかった。

がっかりした彼に顔を寄せ、私はチュッとキスをする。


「おめでとう。1つだけ空っぽなのが当たりなの。残りは全部中身入り」


なあんちゃって。

本当は普通に中身入りが1つだけだったんだけどね。




【Happy Christmas Present 2】

(※これは10/14『web clap!』内の「Happy Christmas Present」の一応つづきです)


幼なじみから恋人に昇格した彼。

さて今年も恒例のプレゼント交換がやってきた。

ハイ、と渡された大きい箱。

またこのパターン。一応、わあ、と開けると案の定中にまた箱。

また中に、また中に、そして最後に小さい箱。

これは今度こそ……と開けたら


『結婚しよう』


ひらり。私の前に落ちましたよ、紙が。

お前は何を学習したんだ! さっさと指輪持ってこいッ!




【赤い傘】


天気予報どおり、午後から雨が降ってきた。

昇降口で空を見上げている彼を見つける。

どうしよう。どうしようか。

と、彼が私に気づき、そして私の手にある傘に目をとめる。


 * * *


ひとつの赤い傘の下を並んで歩く、顔が赤い私たち。

傘の色が映っているせいなのか、それとも……




【小春日和】


日の当たる掃出し窓の前で

彼と猫が昼寝している。


そっと近づいて唇の端にキスをすると

目を瞑ったまま彼が笑った。

「ん……、ミーコ、舐めるなよ……」


ミーコじゃないんだけどな。

まあいいか。そういうことにしておこう。

私の気持ちはまだ内緒。




【無言の告白】


「今から聞くこと、もし違ったら『バカじゃないの?』って

思いっきり罵っていいから」


そう彼は電話越しに言ってから爆弾を落とした。


「もしかして、俺のこと好き?」


わ、私だって告白するならシチュとか心構えとか!

す、少なくとも今このタイミングではない!


肯定も否定もできず、無言になった私に

彼は「うん、わかった」と言って電話を切った。


わかったってなに。

……これって告白したことになっちゃうの!?




【どさくさまぎれ】


ゼミ仲間数人での宅飲み会。

ワンルームで盛り上がり、そのうち終電も無くなって

ひとりふたりと寝落ちしていく。

密かに想う彼の隣で飲んでいた私もそのまま寝ころんだ。

酔っ払いつつも、横向きに寝た背中に全神経が集中している。

ああ、ここで何かが……

起こるわきゃない。

でも、隣で寝れるってなんか幸せ……

あれ、なんか背中があったかいな……あれ頭の上に、何かのったな……

おなかに、なにか……むにゃむにゃ……




【魔女と王子と黒猫と】


王子が黒猫にキスをすると―――

みるみる黒猫は姿を変え、本来の人型に戻りました。

魔女にかかっていた呪いは王子の愛で解けたのです。

ところが

「あ、あれ? お前金髪だったの?」

「そうですよ」

「え、じゃあなんで黒猫だったの!? 魔女っつったら普通黒髪だろ!」

金髪の魔女はこめかみをひくつかせました。

「俺黒髪が好みなのに! 詐欺だ!」

じゃあお前がなれ!

金髪の魔女は王子に黒猫になる呪いをかけましたとさ。




【Blue Heaven】


10月吉日。誰もいない某ホテルの花嫁控室で

ウェディングドレス姿の彼女は写真を眺めてポツリと呟いた。


「私、結婚するよ」

うん。

「あなたの親友と」

うん。

「……ごめんね」

謝んな。むしろ俺が謝る。


いなくなってごめん。

幸せになれよ。


しっかしまさかあいつが俺がいなくなって10年も黙ってるとは思わなかったけどな!

アホが!

幸せにしろよ!

じゃあな!



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