表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/114

2 初恋オクターヴ

 定期考査の近い、誰もいない放課後の廊下で。帰ろうとする僕の耳にどこからか小さな単音のメロディが聴こえてきた。着メロ? ちょっと違うような。それに曲がどんどん変わっていく。ちょうちょ、かえるのうた、春の小川? それからこれは……そうだ、ロンドン橋!

 気になって音源を探していたが、そのうち音が聴こえなくなってしまった。するとちょっと前の教室から出てきた女の子がすれ違いぎわにかつんとバッグから何か落とした。「待って。何か落ちた」と僕が拾うとそれは小さな小さなハーモニカ。「この音だったんだ……」呟くと、彼女はちょっと驚いて、聴こえてた? と恥ずかしそうに頷き、これね、1オクターブしか音がないの。だから吹ける曲は1オクターブの中でだけ。でも結構あるんだよ、とやわらかく笑った。

 思わず口をつけてプーと音を鳴らしてみてから彼女にハーモニカを返す。じゃ、じゃあさよなら、と去った彼女の顔が赤かったので、なんでだろう、と思ってからはっと気づいた。

 しまった、あれじゃ間接キスじゃん……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ