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18 兄の恋人

「あ」

「お」

 街中で学生時代の男友達とばったり遭遇、彼の腕には若い女の子。

 だから高校教師なんて……。

 3年前卒業するときも思ったものだ、こんなのが高校教師になんかなったら絶対女子生徒に狙われる、と。

 2人を眺める半目の私を見て彼は慌てた。「こ、これは妹!」

 どうせならもっとマシな嘘をつけぃ!

 半目を更に薄くさせた私に彼は「……の、ようなもので」と付け足した。

 ほれ見ろ妹じゃないじゃん!

 卒業以来、数回有った飲み会などで終ぞ彼女の話なんか出なかったが成程こういうわけか。

「まあ周りには気を付けて。じゃ」と内心の動揺を隠し、彼らに背を向け早足に人波を縫った。


「待てって!」

 追いかけてきたらしい彼に腕を掴まれる。もう横に女の子はいなかった。

「彼女は?」

「その彼女ってのが恋人って意味なら違うけどあの子は本来の相手ともう行ったよ」

「本来の相手?」

「……俺の兄貴」

 こいつの兄貴って5,6歳上じゃなかったっけ。え、それって

「みなまで言うな」

 わかりました。

「はあ~、こういうタイミングで言いたくなかったんだけど、もうなんか誤解受けるのヤだからはっきりさせとくわ」

 彼は頭をがしがし掻くと私をまっすぐ見て言った。「俺さ……



彼は行人の弟です


それって、のあとに飲み込んだ言葉は「犯罪(的歳の差)じゃないの?」

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