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99 キッチン&ダイニング花花 4

 

「……誰と? ユタ今彼女いないでしょ?」

 店長が問う。ユタとは本名がゆたかというオーナーの愛称だ。その呼び方がとても親しげで(実際叔父と姪なんだから当たり前だが)愛称どころかバイト呼ばわりの俺はいつもそこに壁を感じていた。


「いやホラ、萌子」

「ああ、あのユタの浮気だ留学だ脱サラだで学生の頃から別れては復縁を繰り返してた」

「うわっ最悪な……で、どうしてまたその彼女と?」


 オーナーは店長の目線に苦笑して、それからハイボールに口をつけた。


「いやまあさ、色々あったけどやっぱ俺にはあの子しかいないな、と思って」

「気づくのに20年近くかかったわけ。アホだね」

「あとさ、腹に子供が……」


 そこで店長は席を立った。


「帰る」


 帰るったって丑三つ時もいいとこだ。自分も慌てて席を立つとオーナーが

「国友。桃子を頼む」

と俺の背中に声をかけた。




 気づいてた。店長が誰を見てるかなんて。




 眠らない街を店長の後ろから歩く。


「……店長、店長とオーナーは実は血が繋が」

「バリバリ繋がってるよ。正真正銘叔父と姪だよ」

「そうスか」

「おかしいよね。実の叔父なのにさ」

「……おかしくないですよ」


 そのまま二人で始発が動くまで目的もなく歩き続けた。






恋とはそもそもおかしくなるものなんだ

だからつまりそれは全くおかしくなんかない



※オーナーの名誉のためにいうと、浮気は誤解

 次ラストです


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