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93 タイムマシンに乗って 2

 

 これまたマズいことに、彼女は俺のクラスの生徒となった。

 一週間しか経っていなかったから彼女も俺の顔を憶えていて、こっそり俺の元へやってくる。

 改めて何かお礼を……と言い出すが、それは固辞して代わりに堅く口止めした。 


「お前ホントに黙ってろよ。ああいうのって絶対やったらダメなんだから」

「はあい。感謝してるし黙ってます」

「感謝してんなら今度の中間テスト全教科80点以上取れ」

「それはムリー」


 そんな風に担任と教え子として関わっていく。

 大人っぽいところと子供っぽいところをくるくる見せる彼女にどうしても惹かれるが、自分の気持ちは彼女が生徒とわかった日に封印した。



 そうして半年。

 日直の彼女に資料整理を手伝ってもらいながらの雑談で。


「あのとき先生のこと大学生だと思ってたんだ」

「あのときは一応まだ大学生だったよ。一人で暗い夜道歩いて危ないなあと思ってたらあの有様だし」

「あれは失敗でした。一生恩に着ます」

「着ろ着ろ」

「私先生のこと忘れられなかったの」

「……え」

「名前も聞けなくてどうしようと思ってて」

「……」

「そしたらすぐ会えた。先生だったのは驚いたけど、普段の先生も格好良かった」


 待て。言うな。


「私先生が好きです」




まだつづく

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