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92 タイムマシンに乗って

 

 それは3月の最後の土曜のこと。

 本格的社会人生活を目前に控え、学生時代の友人らとひとしきり騒いで飲んだあと、遅い時間に駅について酔い覚ましだと30分の道のりを線路沿いに歩いていたときだった。


 前を女の子が一人歩いている。遅い時間に危ないなあ。

 そのうち自分の行く方角と違う方へと曲がったのでそのまま行こうとした、その瞬間。聞こえた小さな悲鳴。

 見ると、ニット帽を被りマスクをした男が彼女に抱きついていた。

 

 自分は空手有段者だ。とっとと男を地面に叩きのめし、「相手に怪我させたのがバレるとマズいから悪いけど警察はパスで」と、男は放置で彼女の手を引いて走る。自宅近くまで送り、お礼をしたいと名前聞かれたが「バレるとマズいから」とまた同じことを言い、去った。

 

 傷害でモメるのも面倒でそのまま別れてしまった。のだが、街灯の下で見た彼女の顔は実は好みのタイプで、俺は何というか、また会いたいというか、多分、つまり恋に落ちてしまったわけで。後から自覚するとか、ああ……。自宅付近ならわかるが、ウロついていれば今度は俺が怪しい奴だ。


 そんな、悶々とする俺の前に、一週間後あっさり彼女は現れた。



 自分が新卒で勤める高校の生徒として。





つづきます

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