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 土曜の午後。返却お願いします、とカウンターで声をかけられた。はい、ありがとうございます、と本を受け取る。パラパラと中を確認するとひらりと何かが落ちた。名刺だった。今の男の人のかしら、と顔を上げたがもう見当たらなかった。

 個人情報だし、このまま捨てるわけにはいかない。シュレッダーにかけるにしても、一応今の人に確認した方がいいかも、と私はそれをエプロンのポケットにしまい、そしてそれをすっかり忘れたまま洗濯してしまった。1ヶ月ほど経ってから、返却カウンターに置かれた本をチェックしてると、また同じ名刺を発見した。

 そして3か月後の今では私のポケットには彼の名刺がもう7枚も溜まってしまっている。きっとしおり代わりに使ってるのだ。幸い私以外の職員はその名刺を見つけたことはないらしい。次こそは彼を捕まえてこれを返し、注意せねば。

 彼がわざと忍ばせていたとは全く気付かずに、私は返却カウンターで入口を気にしていた。


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