校舎内の遭遇
ボンッ!
「情けないわね」
来栖の放った炎撃を容易く避ける織鶴
「くっ…!!」
「それで意気揚揚と私に挑んできたの?」
「笑えるわね」
「…確かに、侮っていたのは認めよう」
「だが、ただでは済まさないぞ」
「そうで無くっちゃね」
ゴキゴキと唸る織鶴の拳
それはつまり、織鶴が能力を発動させた意図と来栖は読み取った
「…来るか」
「えぇ、行くわよ」
ドンッ!!
織鶴は地面を強く蹴り、走り出す
拳を握りしめ、真っ直ぐに来栖の顔面へと放ち込む
「むっ…」
…遅い?
「あら、やるじゃない」
「…」
来栖は織鶴の拳撃に違和感を感じた
遅いのだ
(コイツの能力は身体強化系…)
つまりは、炎に念力などの技は撃ってこない
銃や飛び道具ならば避けられる
と言うことは、勝てる
こんなに遅い拳撃ならば、当たらなければ良い
遠くからチマチマと攻撃すれば勝てるのではないか?
ゴォンッ!!
「む…!!」
吹き飛ぶフェンス
危ない、油断していた
当たらなければ良いが、逆に言えば当たれば即死
集中力を切らしてはいけない
「避けるのだけは早いわね」
ブンッ!
「「避けるのだけ」はないだろう?」
空を切る織鶴の拳
「チョコマカ逃げ回ってないで、来なさいよ」
「遠慮する」
挑発に乗れば最後
奴の一撃をマトモにくらい、死ぬ
「炎破!」
ボンッ!
「痛っ…」
「何すんのよ!?服が台無しじゃない!!」
「仕方あるまい」
「俺は属性系能力者なのだから」
「殺すッ…!!」
ゴキンッ!!
「ぐっ…!?」
「当たったわね?」
メリメリとめり込む織鶴の拳
来栖の表情は苦痛に歪む
「っっぁああああああ!!!」
「!」
咄嗟に体を回転させ、衝撃を逸らす来栖
それでも受けたダメ-ジは大きい
「がはっ…!!」
口から溢れる血
その量からして内臓を潰されたのだろう
「何故だ…?」
おかしい
距離を見間違えたのか?
いや、それはない
先刻まで奴は10mは離れていた
一気に詰められる距離ではないはずだ
「油断してるとブチ殺しちゃうぞ♪」
「!!」
ガァンッッッッ!!
来栖の足元が崩れ落ちる
「外しちゃったわぁ~♪」
割れ目から拳を持ち上げ、織鶴は微笑む
悪魔か?コイツは
悪寒がする
間違いなく、だ
間違いなく楽しんでやがる
「…1つ聞きたい」
「貴様、この距離をどう詰めた?」
「敵に説明する義理が?」
「…無いな」
「そういう事よ」
トンッ
来栖の懐へと飛び込む織鶴
そのまま、先刻の傷口へと拳を向ける
「死ね」
「遠慮する」
ドンッ!!!
「…!」
「ふぅ」
手から放った炎の爆炎を利用し、織鶴から遠ざかる来栖
ジェット機と同じで、急速の回避方法である
----が、衝撃に筋肉がついていけないのだ
必然的に手は暫く動かせなくなる
「っつ…」
「そんな荒業で避けるのね」
「手が痺れてるのが目に見えるわよ」
「…こうでもしないと死ぬのでな」
「まぁ、そうね」
「それと、もう1つ」
「お前の急加速の原因は[靴]だな?」
「…よく解ったわね」
「お前が加速する瞬間、靴が発光した」
「何らかの仕掛けだな?」
「そうよ」
「今、アンタが使ったのと全く同じ」
「踏み込む瞬間に靴底の火薬を爆発させる」
「そうすればジェット機と同じ原理で加速、か」
「アンタと違って急でもないから筋肉に負荷はかけないわ」
「…欲しいな」
「あげないわよ」
「結構、高いんだから」
「それは残念だ」
ボッ
「…何のショ-かしらね」
来栖の周りに浮かぶ3つの炎球
「狐火参型…」
「放炎!!」
それぞれが各方向から織鶴へと遅いかかる
「避けれはしないぞ!!」
「誰が[避ける]って?」
手を前へと向ける織鶴
静かに息を吐き、炎球を見つめる
「握掌」
バチィンッッッ!!
「炎球を握り潰した…!?」
「こんなの、炎だなんてよく言えたわね」
「まだ火の粉の方が熱いわよ」
「…六連!!」
「懲りないわねぇ」
「負けるわけにはいかないのでな…!!」
「…そう」
「こっちも負けられないのよ」
「放炎ッッッ!!!」
校舎内
空き部屋
「…居ねぇなぁ」
キョロキョロと教室中を見渡すゼロ
先刻から群麻を探しているのだが、影すら見当たらない
ガタンッ
「…誰だ?」
「え?」
「…女?」
「ここの生徒か?」
「ちょ、お前!誰だよ!?」
「何でホ-ムレスが…!!」
「誰がホ-ムレスだ!」
「違うの?」
「違ぇよ!!」
「お前こそ誰だよ!!」
「わ、私は桜見…」
「ここの生徒、だよな?」
「そうだけど…」
おかしい
森草の能力で全員、外に出したはずだ
…という事は能力者か?
いや、その性質がある人間か?
「…今、ここに不審者が入ったらしい」
「早く出ていけ」
「不審者はお前だろ!」
「違ぇよ!!」
「桜見!!」
「!?」
「く、蔵波ぃ!?」
「なんでアンタが…」
「まぁ、待ってよぉ…」
「遅いぞ、熊谷!」
「蔵波が早いんだってば…」
「あれ?居た」
「何で熊谷まで…」
「お前が心配だったからだよ!!」
「わ、私が!?」
「フラフラしながら校舎に入って行きやがって…」
「心配になるだろ、普通よ」
「あ、ありがとぅ…」
「どういたしまして」
「何処か痛むトコねぇか?」
「な、無いわよ!!」
「顔、真っ赤だけど…」
「熱でも有るのか?」
桜見の額へ手を当てる蔵波
それによって増々、桜見の頬は真っ赤になっていく
「さ、触んな!馬鹿ぁ!!」
「うぉ!?」
「幸せそうで何よりだが…」
「兎に角、早く出ていけ」
「何でよ!?」
「不審者が出るって言ってんだろうが」
「出口までは着いてってやるからよ」
「「「不審者はお前」だろ」じゃないの?」
「3人揃ってハモりやがってこの野郎共」
読んでいただきありがとうございました




