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秋鋼  作者: MTL2
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幕開け

路地裏


「何処にィ行ったんですかァ?」


(…畜生が)

(奴は恐らく能力者…、この状況は圧倒的に不利)


「見ィつけたァ」


「チッ!」


男から距離を取る火星


(コイツの能力さえ解れば、能力のない俺でも対処法ぐらいは…!!)


「お前ェ、無能力者ァ?」

「だったら対処法ゥとか関係なくねェ?」


「…心が読めるのか」


「ご名答ゥ」

「念力系だァ」


「先刻の娘も念力系だな…?」


「良い勘してるゥじゃねぇかァ」

「俺の能力ゥ、教えてやろうかァ?」


「是非ともお願いしたいね」

(心が読めるって事は…、精神攻撃系か)


「考えるなァ、考えるなァ」

「全ェ部解るんだからなァ」


「…そうだったな」

「じゃ、能力も教えてくれよ」


「ヒントを出しィてやるからなァ」

「それェで解けェ」


「…良いぜ」


「ただしィ」

「俺から逃げェながらなァ」




ビル


(やっぱり誰もいない…)


「逃が さな い」


「…ッ」


「何 処 ?」


(出て戦うか?)

(いや、それより不意打ちか…)


「出て こ ないな ら、この ビルご と潰 す」


「…それは困るかな」


「やっ と 出てき た」


「戦うの?」


「当た り 前」

「で も、大人 しく 捕ま ってく れるな ら戦 わな い」


「それは無理」


「だった ら 戦 う」


「…平和的に、ね?」


「無 理 」

「無事 に連 れてこ いっ て言わ れて るけ ど」

「腕ぐら い なら大 丈夫」


ピタッ


波斗の腕に触れる少女


「折れ ろ」


ベキベキベキベキ!!


「があぁああああああ!!!」


悲惨な音を上げ無残に折れ曲がる波斗の腕

腕の向きは右に左に上に下に


「あがぁっ…!はぁっ…!!」


折れた腕からは肉が飛び出て血が溢れ出す


「痛く ない様 に するか ら」


ピタッ


「…え?」


「痛 覚神 経を潰 した」

「痛く な い?」


(心が痛い…)


「一緒 に来 て」

「リ- ダ-が 待って る」


「…一緒には行けないよ」


「来て貰 う」

「そ の腕 じゃ 何も出来 ない」


「この腕だから出来る事も有るんだけどね…!!」


「え ?」


バチィイイイン!!


凹凸型に変形する壁


「…だ から ?」


「…特に無い」


「慣れもしない能力を使うからよ」


「織鶴さん!」


「…邪魔 者」


「アンタがね」


「リ- ダ-は ?」


「あぁ、道路に転がってる肉塊の事?」

「廃棄物処理場にでも運んどいてあげるわ」


「リ- ダ-を殺 した ?」


「そうだけど?」


「許さ ない」


「殺される覚悟も無く私達に刃向かったの?」

「馬鹿じゃない?」


「殺 す」


「やってみないよ、雑魚」


ズンズンと少女に近づいていく織鶴


「織鶴さん!その子に触れられたら…!!」


「死 ね 」


ビクッ


「… !」


「今更、怖じ気付いたのかしら?」

「遅いわよ」


グシャッ


織鶴が拳を振り下ろすと同時に生々しい音が響く


「あ が っ」


ドスンと鈍い音

崩れ落ち砕ける少女の頭


「…ッ!!」


「腕は大丈夫?」


「痛みは…」


「痛覚神経でも潰された?」


「はい…」

「…火星さんは!?」


「大丈夫よ」

「鉄珠が迎えに行ったから」


「鉄珠って…」


「そう、まだ貴方が会ってない秋鋼のメンバ-」

「戦闘力は…、まぁ上の中かしら」



路地裏


「うゥ…!!」


「先刻と形勢逆転だな」

「で、何だって?お前の能力」


「俺ェの能力はァ…」


「まぁ、どうでも良いんだが」


ドスッ


「っ…」


首の脈を裂き、悲鳴すら上げさせずに殺す

その殺し方は完全に暗殺の類である


「助かった、鉄珠」


「妙な気配を感じたからな」

「来てみたらコレじゃん」

「お前も対能力者の戦闘も出来ないくせに出しゃばるから」


「う…」


「居た居た」

「帰るわよ、火星、鉄珠」


「了ぉ-解」


「はぁ…、疲れた」


「この人が…?」




まさに、その一言

髪は勿論、目、服、ズボン、手袋まで

全てが黒


「黒ッ!!」


「言うと思ったわ」

「コイツの服装センス、壊滅的にダサイのよね」


「だって目立たないし」

「安いし」


「俺が服装の選び方、教えようか?」


「火星は顔もキモイから無理でしょ」


「うぅ…」


(やっぱり扱いは酷いんだな…)


「ど-でも良いけど、早く帰りましょ!」

「スウィ-ツが食-べ-た-い-!!」


「解ってるよ…」

「車…、どっかから貰うか」


「えぇ!?」


「後で返すから大丈夫だよ、多分」


「鍵は…?」


「ハッキングかな」


「うわぁ…」


「やめて!その軽蔑の眼差しを向けないで!!」


「いや、波斗が正しいと思うけど」


「波斗?この子が?」

「あの新入りの」


「よ、よろしくお願いします」


「うん、よろしく」

「じゃ、頼むな火星」


「畜生…、何か泣きてぇ」




道路


ガチャンッ


「私、寝るわね」

「能力使っちゃたし」


「おう、解った」


「ふぁぁ-あ…」

「ぐぅ…」


眠りにつく織鶴


「はぁ…」


「大丈夫なの?その腕…」


「痛みはないんですけど…」

「何か見てて痛い…」


「だろうね」

「俺も極限的に目は逸らしてるし」


「どうしましょうか…、コレ」


「…後で治療するよ、うん」





路地裏


「揃いも揃って…」

「何なんですかぁ!?俺達は死体処理係じゃねぇんだぞ!!」


「怒るな」

「コイツ等も全力を尽くした」


「だけどよ-」

「示しが付かねぇぜ?」

「下っ端とは言え、能力者だろ?コイツ等」


「模造品の、な」


「…模造品ねぇ」


「俺達の能力をコピ-させたに過ぎん」

「当然と言えば当然の結果か」

「だが、侮辱は許さんぞ」


「解ってますよ~!だ」

「だが、楽しくなってきやがったなぁ?オイ」

「腐れ切った軍に復讐できる上に面白い人材発掘だぜ?」


「…あの少年か」


「YES!良い勘してるね」

「蒼空か…、楽しみだねぇ」


「…余り浮かれるなよ」

「軍の末端組織とは言え、奴等に手を出したのだ」

「コレが軍との戦闘の幕開けになる」


「解ってるさ!充分にな」

「楽しく行こうぜ」

読んでいただきありがとうございました

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