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秋鋼  作者: MTL2
87/600

騎馬戦メンバ-

教室


ガラッ


「お早うございま-…す」


「…」


「おぉ!珍しいな」

「蒼空が遅刻か!!」


「珍しいね」


ザワザワとざわつく教室


確かに高校で遅刻したのは3回目ぐらいか


「おはよ、桜見」


「おはよう!桜見ちゃん」


「ん、お早う」


蜜柑と夕夏ユウカが挨拶をしてくれた

普通かも知れないが、実質的に私にはこの2人しか友人と呼べる人間が居ない

挨拶1つでも嬉しいのだ


「夕夏、一時限目て何だったけ」


「数Ⅰだよ~」


「ん、ありがと」

「だったら別に遅れても問題無かったわよね」


「成績良いもんね、桜見ちゃん」


「でしょ?」


森草、桜見の友人である西江ニシエ 夕夏ユウカ

薄い桃色が掛かった髪の毛

とろんとした目

ほんわりとした性格で、誰からも好かれている

運動神経はさほど良くないが、成績は良い


五眼衆の一件時、能力を開花させていた

しかし五眼衆事件が一段落付いたとき、能力は無滅

「残念だな~」と言っていたが、少しホッとしていたらしい


「…なぁ、夕夏」


「うん?」


「好きな男子ってさ、居る?」


「別に居ないよ~」


「…そっか」

「私は…」


「居るの!?」


「-----何でも無い」


「あら、残念」


「蜜柑みたいに蒼空LOVEじゃないからなぁ」


「ち、違うわよ!!」


コイツは蒼空が好きなのに告白しないんだよなぁ

早く踏ん張りを付ければ良いのに


「…でも、何でそんな事を聞くの?」


「え?あ-、別に…」


…確かにそうだ

何でこんな事を聞いたんだか…


「変なの」


「そ-だな」


…どうしちまったんだか



「何で遅刻したんだ?蒼空」


「考え事してたらやっちまった…」


「ほぉほぉ」

「何の?」


「…人類進化論」


「嘘付け!!」


「ハッハッハッハ」


「棒読みの笑いだねぇ…」


「あ-、そう言えばさ」


「ん?」


「蔵波の事、桜見に聞かれたんだ」


「桜見?」

「あぁ、委員長と一緒に居るアイツか」


「好きな物って何だ?って」


「そりゃ-」


「女って答えといた」


「ちょ!お前!!!」


「そうだろ?」


「そうだけども!」

「もっとオブラ-トに包めよ!!」

「世界のレディ-と言えよ!!」


「変わらないと思うんだけど」



キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン


ガラッ


「お-い、テメェ等」

「数Ⅰ授業から変更して楽しい楽しいロングホ-ムル-ムの時間だ」


教室に入ってくる鬼村

その手には数十枚の紙

大きさからして、何等かのアンケ-ト用紙だろう


「「「「「えぇ--」」」」」


一斉に上がる不満の声

別段、数Ⅰの授業が好きと言うワケではないのだが

鬼村のロングホ-ムル-ムは間違い無くダラける

空気的に苦手な者が多いのだ


「おいおい、んなロ-テンションで良いのか」


「「「「「?」」」」」


「今回は体育祭の詳細を決めんだよ」

「グダグダ言ってると無くすぞ」


「「「「「イヤッフォオオオオオオオ!!」」」」」


ロ-テンション→ハイテンション


高校最大の行事と言っても良い体育祭

九華梨高校では毎年の体育祭の意気込みがハンパではない

よって、今年初めての波斗達1年生勢も大いに楽しみにしていたのである

と言うか最早、体育祭は九華梨高校名物と言っても過言ではない


「うるせ-ぞ」

「良いか、今から決めるのは体育祭の騎馬戦のメンバ-」


「先生-!女子と組みたいで」


「とか言い出した奴はブッ殺すぞ」


「…すいませんでした」


「中3の時も却下されてたよね、蔵波」

「女子を担ぎたいって」


「アレは無謀だったと思ってるよ」


「今回は?」


「上で我慢だ!!」


「…蔵波らしいよ」



「…てな、ワケでだ」

「今から騎馬戦メンバ-を決める」

「3人、テキト-に組め」

「残り1人は解ってるな?」


「「「「「は-い」」」」」


本来、騎馬戦は生徒が4人1組でハチマキを取り合う

だが九華梨高校では生徒が3人で保護者から1人というル-ルである

クラス内での力量差を無くすための特別ル-ルだとか


「それが決まったら文化祭の出し物だ」

「まだ時間はあるから急がず決めろ」

「以上だ」





「組もうぜ!蒼空!熊谷!!」


「おぉ!良いぜ」


「うん、良いよ~」


「よっしゃ!コレで3人」

「あと1人はどうするよ?」


「どうする~?」


「どうしようか…」


「あ、あの人なんて良いんじゃない」

「ガタイも良いし」


「誰だ?」


「蒼空のアルバイト先の人」

「火ぼ…、火星カセイさん」


「今、言いかけたよな」

「そのまま言えよ」


「大丈夫なのか?その人」

「バランスと都合的に」


「ん-、都合は解らないけど」

「そんなに身長も高くないから、大丈夫だと思うぞ」


「そうか」

「…で、誰が上に乗る?」


「それが問題だよな」


「握力も居るんじゃない?」

「相手のハチマキを取らなきゃならないんだし」


「よっし、解った」

「俺は46だ!」

「熊谷は?」


「32」

「蒼空は?」


「39」

「蔵波で決まりだな」


「結構、有るんだね」


「女子にモテる為には筋力も必要だからな!」


「結局それかい」



「…」


「…桜見?」


「へ?」


「どうしたの?」

「ボ-っとしちゃって」


「べ、別に!?」


「…そう?」


「桜見ちゃんがボ-っとするなんて珍しいね」

「蒼空君でも見てたの?」


「えっ!?」


「誰が親友の彼氏を取るもんですか」


「か、彼氏じゃないわよ!!」


「ツンデレね」


「ツンデレだねぇ」


「ち、ちがぁ-う!!」



「…でさ、あと1人はどうする?」


「私のパパとママは無理なんだ~」

「仕事なの」


「私も無理ね」

「蜜柑は?」


「…そうね」

「もしかしたら大丈夫かも」


「へぇ-、誰?」


「私の家に居る友達」

「外国人だけど大丈夫?」


「それは私に向かって言ってるのかな?」


「そ、そんな事ないわよ!?」


「解ってるわよ」

「からかってみただけ」


「もう!」


「フフフ…」


「じゃぁ、その子に頼もうよ!」

「大丈夫かな」


「多分ね」

(セントちゃんなら大丈夫よね…)


「わ-い」


「じゃ、決まりだな」

「上はどうする?」


「「桜見」ちゃん」


「一致かよ…」


「だってぇ~、一番、運動神経良いんだもん」


「その通りね」

「50m走6秒ジャストだもんね」


「走力は関係ねぇだろ!」


「握力70超えだもんね-」


「…アレは」


「「決定」だね」


「えぇ-…」


「何か問題有るの?」


「なんつ-かよ…」

「…」


「?」


「お-い、決まったか-」


「いや…」


「早く決めろよ」

「決まってるのは蔵波達のトコだけだぞ」


「…構成は?」


「下が保護者と蒼空、熊谷」

「上が蔵波だな」


「蔵波…」

「…解った、私が上に行く」


「えぇ!?何で急に!」


「女たらし野郎から他の女子を護るためだよ」


「「…なるほど」」





読んでいただきありがとうございました

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