襲撃
1F受付
「クソ面倒くさいわね…」
「織鶴さ-ん!」
「あら、検査は終わったの?」
「はい、どうにか」
「ゼロの野郎に変な事されなかったかしら?」
「親切な方でしたよ?」
「アイツが?親切?」
「アハハハハハ!面白いジョ-クね」
「え?」
「織鶴-!」
「あら、火星」
「態々迎えに来てくれたの?」
「全く…、迎えに来させたんだろ」
「お、蒼空君もお疲れ」
「ありがとうございます」
「帰りにコンビニでも寄りましょ」
「スウィ-ツが欲しいわ」
「ああ、解った」
「蒼空君も何か買うかい?」
「あ!いえ僕は…」
「遠慮しなくて良いわよ」
「どうせ火星が全部払うんだし」
「えぇ-…」
(扱い酷いな…)
「あ、そう言えば織鶴さん」
「何かしら?」
「織鶴さんの会いたくない人って…?」
「…No,4なんだけどね」
「あのクソアマァ…、二番煎じのくせにチョ-シこいてんじゃねぇぞ…!!」
「お、織鶴!急がないとスウィ-ツ売り切れるぞ!!」
「…あ、そうね」
「急ぎましょ」
(蒼空君!)
「はい?」
(織鶴の前でNo,4の事は禁句だから!!)
(解った?)
(解りました…)
車内
「…そう言えば、織鶴」
「何かしら?」
「五眼衆の話、覚えてるか?」
「五眼衆…、古い話ね」
「随分前に軍に殲滅されたはずだけど?」
「そうだったんだが…」
「生き残りが居たらしい」
「生き残り?」
「あの-…」
「ん?」
「五眼衆って?」
「能力者のオカルト集団ね」
「軍に属してない能力斜共が集まって出来た集団」
「何だっけ?神様がどうとか…」
「5つの眼を持つ神様を信仰してるんだって」
「5つの眼にはそれぞれ意味が…」
「火星!」
「!?」
キィイイイイ!!
急ブレ-キをかける車
それに連れて3人の体が前に倒れる
「痛っ…」
「どうしたんですか…」
「前、見なさい」
「え?」
道路の中央に立つ1人の男
「…誰?」
「車から降りるんじゃないわよ」
「行くのか」
「えぇ」
バタンッ
車から降りる織鶴
「あの人は…?」
「蒼空君、周りを見るんだ」
「…人が」
普通ならば活気溢れる時間帯
しかし、周りには誰もいない
「アイツは能力者だろうね」
「五眼衆の」
「五眼衆って先刻言ってた…」
「実は五眼衆が軍に反旗を翻したらしいんだ」
「つい先刻、白月さんから言われたんだけど…」
「織鶴さんは知って…?」
「ないだろうけど問題は無いかな」
「それに…、こっちも暇じゃ無さそうだよ」
「え?」
コンコンッ
窓ガラスを叩くマスクの男
「能力者ァ、降りて来いィ」
「俺が行こう」
「君は、まだ能力の扱いに慣れて無いんだろう?」
「でも…!火星さん…!!」
「大丈夫、時間稼ぎぐらいは出来るから」
「な-んて事ォが通ると思うなよォ」
グシャグシャグシャグシャグシャ!!
車が徐々に圧縮されていく
「外に出るんだ!!」
「はい!!」
バタァン!!
グシャン!!
「…俺の車が」
「次は 仕留 め る」
マスクの男と茶髪の少女が波斗と火星に近づいてくる
「…どっちに行く?蒼空君」
「…どっちも嫌です」
「じゃ、逃げる?」
「無 理に 決まって る」
「だろうね」
「じゃ、散って追ってきた方と戦うのは?」
「…解りました」
「合図で散るよ」
「1、2の…」
「3!!」
ダッ!!
「逃げ た」
「違うねェ、アレは散ったんだァ」
「俺はあのデカァイ方の男を追うゥ」
「私 は もう 1人 を 追う」
「じゃ、行くかァ」
「う ん」
道路
「アンタ、目的は?」
「軍への復讐だ」
「やっぱりね」
「私達は軍に使えてるけど軍じゃないわよ?」
「同じだろう」
「…まぁね」
「元No,4」
「我等は貴様達を襲撃に来たのではない」
「はぁ?」
「誘いに来たのだ」
「仲間にならんか、とな」
「正気?」
「狂ってるさ」
「フン」
「一々、軍を敵に回すとか馬鹿でしょ」
「仲間を人質に取られても言えるのか」
「…火星と蒼空?」
「そうだ」
「彼等を追っている2人は中々の手練れだぞ」
「だから?」
「人質は確保した」
「貴様が逆らえば殺す」
「別に良いわよ」
「…何だと?」
「アンタ等に殺られる程度なら要らないし、殺られる様な雑魚でも無いわよ」
「あの2人はね」
「妙だな」
「火星 太陽は兎も角、蒼空 波斗は会って数日だ」
「何を元に信頼している?」
「勘」
「適当な女だ」
「我等を舐めているのか?」
「雑魚の集団を舐めたら悪いかしら?」
「…言ってくれる」
「交渉決裂だな」
「元から交渉ですらないわよ」
「…ふむ」
「死にたいらしい」
「私を舐めんじゃねぇよ」
読んでいただきありがとうございました