屋上の悲劇
「水、攻、砲!!」
石像を囲む3枚の札
「火星!顔面狙えや!!」
「解ってる!!」
パン!!
火星の放った一発の弾丸が石像の顔面に直撃し、ぐらつかせる
「あ゛あ゛!?」
「消し飛べッッ!!!」
ドンッッッッッッッ!!!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
3枚の札より放たれる豪水
まるで滝のように、石像を圧砕していく
「あ゛っ!あ゛…!!」
ゴゥウゥウウン…
「…ふぅ」
「あ-…」
「次の一手を打つか?[残骸]」
「打たせるかッッ!!」
感染者の頭部に開く風穴
火星の撃ち抜いた頭部はぐらぐらと揺れる
「…どうだ」
「終わるはずがないやろ」
「実態こそ有れど、もう死んどんやからな」
ボタボタと地面にこぼれ落ちる脳みそ
既に腐っており、嗚咽官を覚えるような悪臭を放つ
「うぇっ…!!」
「いけるか、蒼空」
「ちょっと…、無理…」
「無理しぃなや」
「吐くんだったら吐けばええ」
「大…丈夫だ」
「それにしても…、響さんも火星さんも凄い…」
「流石は俺の師匠とお前の先輩やな」
「強いで…」
「あぁ…」
「ぁ-」
「ほな、仕上げや」
響は札を感染者の額へと貼り付ける
「封」
「そうはさせん」
「!!」
ビリッと真っ二つに千切られる札
それと共に自由を取り戻す感染者
「誰や!?」
「名乗る名など無い」
「貴様等は黙って死ね」
「敵、か」
「見た目的にそうやろな…!!」
「え…?」
「どしたんや?蒼空」
「茂埜辺…?」
「は?」
「…久しいな、蒼空」
「まだ生きているとは…、いや生きていて当然か」
冷然と蒼空を見下ろす橋唐
「一応、言っておこうか」
「俺は茂埜辺ではない」
「え…?」
「橋唐 兎氏」
「それが本名だ」
「何で偽名を…!?」
「クロアゲハにはワケ有って潜入していただけだ」
「じゃぁ…、黒襟の事は…」
「俺が始末した」
「それだけだ」
「仲間を…!!」
「言っただろう」
「潜入していただけだ」
「----ッ!!」
「それに…、奴は俺達を駒同然に見ていた」
「同情の余地など無い」
「そうだろう?蒼空 波斗」
「!」
波斗が気付くよりも早く
橋唐は響の目前から波斗の目前へと移動していた
「いつの間に--ッ!?」
(身体強化系か!?)
(早過ぎるやろ…!!)
「そう言えば、俺が与えた傷はどうした?」
「こんな短期間に治る物では…」
「…あぁ、そうだったな」
うん、と頷き橋唐の手には果物ナイフほどの小さなナイフ
「試しに死んでみるか?」
「ッッ--!!」
ガッ!!
「むっ…」
「あ…!」
「調子乗っとんちゃうんぞ…、糞が」
「何だ、貴様」
波斗の頭部に向けられたナイフ
それを受け止めたのは一斑だった
「ナイフを素手で握るとはな」
「お前も直でド頭狙うとは思わんかったで…」
「本気で殺しに掛かっとんな?」
「殺す気など無い」
「それに…、コイツは死なないさ」
「死なない?」
「人間は死ぬんが当たり前や」
「アホか、お前」
「そうだな、人は確かに死ぬ」
「無論、貴様もな」
ドスッ
「…が」
一斑の白いマスクが、だんだんと紅く染まっていく
「…一斑」
一斑の腹を貫いた拳
地面に溜まる血
見開かれる一斑の目
「俺がいつ…、1人で来たと言った?」
「そうだよな?アロン」
「ホホホホホホ!何と脆ぃ!!」
「脆いですねぇ!!」
「故に美しぃ!!」
「一斑!!一斑ッ!!」
「喜びすぎ…、っと」
「来たか」
ガボンッッ!!
アロンと呼ばれた男の頭が弾け飛ぶ
脳みそも血肉も骨も
全てが粉砕され、潰される
響の手によって
「貴様ァアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」
「恐ろしいな」
「響 元導」
「いや…、[鬼]よ」
「あぁあああああああああッッ!!」
元導の拳をひょいと避け、橋唐は感染者を抱える
「コイツは重要な実験材料でな」
「貰っていくぞ」
「待て!!!」
「待てと言われて待つ馬鹿が居ると思うか」
トンッ
小さな音と共に消え去る橋唐
「…ッ!」
「一斑!!」
「ごほっ…!!」
びちゃびちゃっ
「血が…!血が…!!」
「落ち着くんや!!蒼空!!」
「火星!軍に!!」
響はシャツを脱ぎ、一斑の傷口に押し当てる
「もう連絡は入れてる!!」
「それより止血を!!」
「解っとるわ!」
「くそ…!止まれや…!!」
「血ぃ!止まれや!!」
どくどくと溢れ出す血
次第に一斑の息も小さくなっていく
「死ぬな!一斑!!」
「一斑君!耐えるんだ!!」
「一斑…」
「一斑!!!」
徳島病院
「…」
「…大丈夫か、響」
「ワイはな…」
「…あのアホ」
「そう言うなよ…」
手術室の前のイスに座る火星と響
響は俯き、火星はコ-ヒ-を啜る
「大丈夫なんか…、蒼空は」
「結構、思い悩んでるみたいだ」
「今はリンデルちゃんが付いてくれてる」
「…彩愛は?」
「取り敢えずは報告に帰ったよ…」
「…ほうか」
「アイツ、橋唐言うたか」
「あぁ」
「蒼空は知っとった見たいやぞ」
「その事については後で聞くけど…」
「…彼も今は一杯一杯なんだ」
「…そうやな」
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