ドイツの遺跡
2人の怒りは収まった
しかし、2人を止める最中に勇敢なる戦士(火星)が犠牲になってしまったのである
(----)
(死んでないよな、火星さん…)
(自信は持てませんねぇ…)
「で、本題に入るんだがよ」
「えぇ、早くして頂戴」
「先日、九華梨警察署通報が入った」
「西の廃工場で爆炎が上がってる、ってな」
「何の事か調べて欲しいんだよ」
「…あ-」
「ど-した?」
「それはね、調べなくて良いと思うわ」
「何でだよ」
「近頃、目撃されてるコ-トの怪しい2人組の事かも知れね-だろ?」
「いや、もう解決したから良いのよ」
「気にしないで」
「…軍に報告はしたのかよ」
「したわよ」
「…茶柱」
「はい」
茶柱は小さな板状の機械を取り出し、文字を打ち込んでいく
「出ました」
「軍には報告は行ってないようですね」
「…さ-て?」
「チッ…」
「こっちの馬鹿火星の私用だったのからね」
「…結構、面倒事だったりするのか?」
「だから隠したのよ!!」」
「ふ-ん」
「…ま、不覚は追求しね-よ」
「助かるわ」
「貸し1な」
「却下よ」
「やるか?」
「面白いわね」
「火星さん!起き上がって!!」
「貴方なら出来ますよ!!」
「鬼か!!貴様等は!!!」
((あ、起きた))
ガチャンッ
カランカラ-ン
「ただいまです」
「もう騒ぎは終わった~?」
「「あ?」」
「終わってませんですねスイマセン」
「何でコイツ等が居るんだよ」
「秋鋼のメンバ-なんだから当たり前でしょ」
「じゃ-、何で初めは居なかったんだ?」
「「仕事で」」
「…そ-か」
((危険を察知して逃げていたとは言えない…))
「で、そこの肉塊は何ですか」
「「「火星」さん」」
「…あぁ、そうでしたか」
ドイツ
遺跡
真っ暗な通路を照らす一筋の光
そしてゼロ、馬常、案内人の3つの足音
「暗いね…」
「当たり前だろ」
「後、どの程度で目的地だ?」
「直ぐですよ」
「遺跡内の物は全て国家的遺産なので、触れないでくださいね」
「うん…」
「解ぁ-ってるよ」
「…案内人」
「何です?」
「遺跡内のモンにへばり付くのは良いのか」
「だ、駄目ですよ!!」
「全て貴重なんですから!!」
「じゃぁ、駄目だね…」
「上の人は追い出さないと」
「え?」
馬常の背後に現れる黒マスクの男
男の手に持たれた2つの刀身が馬常の首を一直線に狙う
「馬常さん!!」
「ん-…」
カキィンッ!
「何かした?」
「!?」
ゴキンッッ!!
馬常の持つ傘の柄が男の腹部を突き、弾き飛ばす
「がっ…!!」
「遺跡、破壊してないよね…」
「多分な」
「殺ッ…!!」
「しつけぇよ」
ゴッッ!!
ゼロの肘撃ちが男の頭部を貫く
ゴリンと生々しい音と共に男は白目を剥いて崩れ落ちる
「馬常さん!大丈夫ですか!?」
「うん、大丈夫…」
「で、でも、どうして…」
「馬常、テメェの能力…」
「うん、俺の能力は皮膚の堅化だから…」
「トラック衝突ぐらいなら耐えれるよ…」
「それの衝撃って2t近いんじゃ…」
「まぁ、大丈夫だから…」
「そう言う事だ」
「行こうぜ」
「早く帰りたいしね…」
「襲ってきた人は…?」
「知るか」
「俺か馬常を狙ってきたんだろ」
「そうでしたか…」
「もしくは…」
「はい?」
「…いや、何でもねぇよ」
男を見下ろし、行くぞと小さく呟き歩き出すゼロ
(もしくは発掘物を狙ったか、だな…)
最奥の間
「…んだ、こりゃ」
豪として立つ石像
数十メ-トルのそれは方に燃える鳥を乗せ、腰に剣を携えている
腕を組み、表情は険しい
「神様です」
「説明が短絡的すぎんだよ」
「何の神様だ」
「[炎神・ガルドラ]」
「何でもこの方は、この地が燃えさかる炎の鳥に襲われたときに、颯爽と現れ猛り狂った鳥を斬り殺したそうです」
「その後、その鳥を食して神様自身も炎を操る力を手に入れたとか」
「鳥食って炎の力が手には入るのかよ」
「焼き鳥なら時々食うぞ」
「そう言う問題じゃないと思うんだけど…」
「で、発掘物ってのは何だ?」
「奥に置いてますよ」
「アレです」
「アレ?」
「…何もねぇぞ」
「その布に包んだ物ですよ」
「ねぇって」
「え?そんなはずは…」
「コレの事かな-?案内人さん♪」
「「「!」」」
「どもども♪」
「祭峰ェ…!!!」
「お久しぶりだね、ゼロ」
「フランス以来だっけ」
「…誰?」
「おぉ!お初にお目に掛かるね」
「俺は祭峰」
「…馬常」
「よろしく!馬常!!」
「敵なの?」
「そうなるかな-」
「最上級能力犯罪者の野郎だ…」
「気ィ抜くんじゃねぇぞ…!!」
「なるほどね…、うん」
「い、遺跡は壊さないでくださいよ!?」
「安心しろ、案内人」
「全壊は免れてやる…!!」
読んでいただきありがとうございました