NO,4
九華梨高校
ピンポンパンポ-ン
『蒼空 波斗、蒼空 波斗』
『至急、職員室まで来なさい』
「…何したの?お前」
「何したんだろ…」
「テストじゃないかな」
「国語で赤点取っちゃったとか」
「ぅ…」
「有り得る有り得る!」
「…ヤバくね?」
「ヤバいよ!」
「あぁ…、アルバイト禁止になったらどうしよう…」
「火星さんが心配するよ?」
「火星さんな」
「久々だな、このネタ」
「まぁ、早く行けよ」
「…逝ってくるよ」
「…」
「心配?森草」
「し、心配なんかじゃ!!」
「私、見たんだよね」
「アンタが蒼空のボロアパ-トに入って行くの」
「えぇ!本当!?森草ちゃん!!」
「ふぇっ!?え、あ、違う!!」
((動揺し過ぎだよ…))
職員室
「あァ-おォ-ぞォ-らァ-?」
「…何でしょう、鬼む…、船村先生」
「鬼村って言いかけたな、テメェ」
「まぁ-、そりゃどうでも良いや」
「何が言いたいか、解るか」
「…ハイ」
「テ・ス・トだ!!!」
「…ハイ」
(あ、死んだな俺)
「何だぁ?この点数は」
バサリと机の上に散乱するテスト用紙
「…98点?」
「そうだ」
「カンニングでもしやがったのか?テメェ」
「98点!?」
「そうだ」
「…お、おぉ」
「くじ引きで2等辺りが当たった様な表情してんじゃねぇよ」
「何でテメェがこんな点数取ってんだ?」
「いっつも国語は45点が良いとこだろ」
「必死に勉強しましたから!!」
「…まぁ、どっちにしろ良いか」
「お前は無駄に真面目だからな」
「カンニングはしねぇだろ」
「信用されてますね、俺」
「調子に乗んな」
「ま-、用件はそれだけだ」
「失礼します」
「おぅ」
教室
「「どうだった!?」」
「何も」
「国語98だった」
「マジで!?」
「カンニングでもした?」
「いや、してないけど」
「火星さんと委員長の御蔭だな!」
「そう言えばさ」
「?」
「委員長がお前の家に夜這いを掛けたって噂が…」
ボゴンッッ!!
「く、蔵波ぃいいいいいいいいいいい!!!」
「あぁ、気絶してるね」
「フ-!フ-!!」
「イス投げなくても」
「フン!!」
「大丈夫かな、蔵波君」
「あんな奴の心配しなくて良いわよ!!」
「でも、事実でしょ?」
「蒼空の家に夜遅くに行ったのは」
「そ、そうだけど…」
「夜這いじゃない!!」
「うん、それは解ってる」
九華梨警察署
「どうだ?」
「何がッスか?先輩」
「商店街の外れにある万屋での事件だよ!」
「まだ犯人は捕まってねぇだろ?」
「捜査を急がねぇと…」
「あ-、それなんスけどね」
「もう調べなくて良いらしいッス」
「あぁ?何でだ」
「何か、被害者の人達が直接頼みに…」
「ドッキリだったらしいッスよ」
「…ドッキリを近所の住民が勘違いしたのか」
「そう言う事ッスね」
「人騒がせな連中だな…」
「全くだ!」
「…え」
「あんだけ捜査させといて!!」
「迷惑ったら有りゃしねぇ!!」
「そ…」
「昕霧様、そろそろ行かないと」
「そうだな」
「おい、頑張れよ」
「「は、ハッ!!」」
ズカズカと歩いて行く2人
「警視庁総監が何でここに…!?」
「わ、解らないッス…」
所長室
「~♪」
ゴルフバットを丁寧に磨く中年の男
「スカ-ン!と飛ばしたいものだねぇ!!」
バタァンッ!!
「おいコラ!クソジジィ!!」
「ひぇっっ!?」
「テメェ…!あの件は揉み消せっつたよなぁ?」
「は、はいぃ…」
「な・ん・で!!」
「揉み消せてねぇんだ!?ゴラァッッ!!」
「も、申し訳ありません~!!」
「時間と証拠が足りなくてですね…」
「言い訳は良いんだよ!!」
「後始末はテメェでしろ!解ったな!?」
「は、はい…」
バタァンッッ!!!
(お、恐ろしい…)
「昕霧様、もう少し言葉使いをですね…」
「あぁ!?ど-でも良いんだよ!!」
「とっとと行くぞ!!」
「え、何処にですか?」
「万屋だよ!!」
「あの馬鹿共にも文句言ってやる!!」
「え、えぇ…」
通学路
「まさか、蒼空が98点とはなぁ…」
「俺も驚いたよ…」
「ま!良かった良かった♪」
「チクショ-…」
「俺、赤点取って無けりゃ良いけど…」
「頑張れ~」
「熊谷は安定だな…」
「俺も勉強しときゃ良かったぜ…」
「今更だけどねぇ」
「あ、俺ここで別れるわ」
「バイトだっけか」
「うん」
「頑張ってね-!」
「おう!」
万屋
カランカラ-ン
「こんにち…」
え
何コレ
「…」
向かい合ったソファ
向かい合う2人の女性
(蒼空君!蒼空君!!)
(ひ、火星さん!)
(どうしたんですか!?コレ!!)
(って言うか誰ですか!?)
(ソファに座ってる彼女は昕霧 凜)
(軍のNo,4なんだ…)
(No,4!?)
朱色の綺麗な髪
栗色の済んだ瞳
モデルかと思うほどの綺麗な顔立ち
赤いウ-ルコ-ト
長いスカ-ト
(び、美人ですね…)
(外見はね…)
(え?)
「ゴラ、織鶴」
「テメ-、妙な事お越してんじゃね-よ」
「あら、何の事かしら」
「[天下の]No,4様がそんな小さい事の為に態々御出でなさったの?」
「ご苦労様ねぇ」
「あぁん?ケンカ売ってんのか?」
「そんな物騒な言葉は怖いわねぇ」
「警視庁総監様?」
ガタンッ!
立ち上がる昕霧
「ぃ良-し決めた」
「テメ-はここで殺す」
「怖いわね」
「[現]No,4様に私が勝てるかしら」
「うっせ-んだよ![元]No,4が!!」
「古株のババァじゃね-か!」
ガタッ
「…誰がババァだ?」
「テメ-しか居ね-だろ!!」
「殺してやるよ×××が」
「うっせ-んだよ!×××!!」
(何コレ怖い)
(織鶴と昕霧は仲が悪いんだよ!)
(犬猿の仲ですか)
(鬼虎の仲の間違いだよ…)
(あの後ろの人は?)
(あぁ、彼は…)
(私は茶柱 栗東です)
(可笑しな名前でしょう?)
(うわ!吃驚した!!)
(吃驚するだろ、茶柱)
(いやはや、申し訳ない)
(…さて、火星さん)
(何だ)
(街が壊滅する前に2人を止めましょうか)
(無理)
(貴方なら出来る!!)
(無理ッッ!!!)
(火星さん!)
(蒼空君も言ってやってくれ!!)
(俺には無理だって!!)
(good luck☆)
(裏切りやがった!!!)
読んでいただきありがとうございました