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秋鋼  作者: MTL2
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Noの強さ

「最高ランクの指名手配班に…?」


「当たり前っちゃ-、当たり前だ」

「織鶴から聞いてないのか」


「確か…、逆らえば即抹殺、でしたっけ」


「そ、確実に殺すわよ」

「悪用されたらたまったモンじゃないからね」


「でも…、Noの方全員で行ったんですよね?」


「俺とNo4だけな」


「え?」


「俺は普通に依頼として行ったんだが…」

「No4の野郎、勝手にサクサク行きやがってよ-」

「俺の出番が…」


「…無かったわね」


「アイツの隠れ家らしきトコを全部破壊しやがったよな、あの野郎」


「残骸撤去が忙しかったわ」


「No,4の方って強いんですか?」


「…そこそこじゃね?」


「そこそこ…」



ビリリリリリリリリ!!


「!?」


「ゼロ、お願い」


「30万」


「5万よ」


「…チッ」


面倒くさそうに頭をボロボリと掻きながら、ゼロがガラスへと向かっていく


「行ってくる」


「ガラス代は給料から引いとくわね」


「そんぐらいはOKだ」


ガシャァアアアアアアン!!


「ゼロさん!?」


窓から飛び降りるゼロ


「ここって45F…!!」


「大丈夫よ、彼なら」


「でも!!」


「Noの闘い、見る?」


カチッ


テレビを付ける総督


「コレって…?」


「軍の所有してる銀行」

「能力者の銀行強盗かしら」


「能力者…」


「普通は警察とかに任せるんだけどね」

「能力者となると厄介だし、君にも見せておきたいのよ」

「Noの強さを」


「強さ…、ですか」


「御茶でもどうぞ」


「あ、ありがとうございます…」


銀行


「おらぁ!金を詰めやがれ!!」

「早くしろ!!」


「は、はい…」


カサカサ…


パァン!!


「ッチ、警察が来やがったか…」


「手を挙げろ!大人しくするんだ!!」


「あぁ?見えないんですかぁ?」

「人質が居るんですよぉ-」


「…くそっ」

「犯人!交渉をしたい!!」

「良いか!?」


「無理ぃ-!」

「却下ですよぉ!」


「フザけやがって…!!」


「退け」


「君!一般人の立ち入りは…」


「黙れ」


「…ッ!!」


「責任者、呼んでこい」


「け、警部!」


「何だ!?」


「この者が話が有る、と…」


「…お前達は下がっていろ」

「何だ?」


「No,3のゼロだ」

「特別に来た」


「切符を」


「再発行中だ」

「別に良いだろ」


「しかしですね」


「必要なのは過程じゃねぇ」

「結果だろうが」


「…解りました」

「通せ!」


「了解!」



「んぁ?交渉人か?」

「交渉はど-でも良いんだよ!」

「能力さえ使えば、逃げ切れんだからなぁ」

「金さえ有れば…」


「有れば、何だ」


「え?」


スパンッ


その一瞬

その一瞬で男の首は胴から離れた



総督室


「もっと見せないと意味ないでしょうが…」


やれやれとため息をつく総督


「な…」

「何が…?」


困惑する波斗

映像ではゼロの手が強盗犯の首に当たったかと思うと、次のシ-ンでは首が地面に転がっていた


「まぁ、武器も必要ないでしょうけどね」

「あの程度の奴」


「犯人は…」


「死んだわよ?何言ってるの」

「処理と情報の隠蔽は軍がするから良いんだけどね」


「でも武器は忘れて…」


「ゼロの能力は身体強化なの」

「筋力、神経伝達速度、皮膚硬度を自在に変化できるわ」

「まぁ、弱点も有るらしいんだけど教えてくれないのよね」


「先刻のは…」


「皮膚硬度を上げて、手を刀みたいに鋭くしたんでしょう?」

「後は筋力を強化して速さを増したんじゃないかしら」


「そんな事が…」


「強さも強さだからね」

「後でガラス代が弁償させるけど」


(高いんだろうなぁ…、このガラス)


prrrrrr


「ん」


部屋に電話の着信音が響く


「もしもし?」


『総督か?』


「ゼロ?どうしたの」


『犯人は片付けたぞ』


「見てたから解ってるわよ」


『給料は…』


「5万よ」


『やっぱりか』


「当たり前じゃない♪」


『まぁ…、良いや』

『出来ればそのガキのNo入り、考えてくれよ』


「さぁ…、ね」


ガチャンッ


「…どうしてゼロさんは俺をNo入りさせようとしてくれるんですか?」


「さぁ?」

「一緒に仕事したいんじゃない?」


「一緒に…、ですか」


「今、貴方は織鶴の支配下だしヘタに協力要請は出せないでしょ」

「ゼロは興味を持ったら、とことん観察するタイプだし」


「確かに」


「…あら、もうこんな時間」

「織鶴も資料を提出し終わった頃かしらね」


「えっと…、お世話になりました」


「そんな畏まらないでよね」

「御茶出してテレビ見せただけだし」


「まぁ、何と言いますか…」


「早く行きなさいよね」

「あの人待たせたら殺されるわよ」


「は、はい」


ガチャッ…


「…あの」


「何かしら?」


「隻眼の男について…」


「疲れたぁああああああ!!!」


「!?」


窓からゼロが飛び込んでくる


「もう少し静かに部屋には行ってこれない?」

「扉から」


「窓から入っても扉から入っても同じだろうが-…」

「水くれ、水」


「全く…」


総督が面倒くさそうに冷蔵庫からミネラルウォ-タ-を出す


「で、何だったかしら?蒼空君」


「い、いえ!何でも無いです!!」

「失礼しました!!」


バタン!



「慌ただしい奴だねぇ」


「貴方が急に入ってきたからでしょう」


「…隻眼の男、か」

「ひた隠しにするんだな」


「聞いてたの?」


「当たり前だろうが」

「何で俺がクソ面倒くせぇ軍に従ってると思ってる?」

「奴と戦うためだ」


「まぁ、知ってるけど」


「…あのガキも」

「あんなガキもこの世界に入るのか」

「血と欲で塗れたこの世界に」


「それは彼が決めるわ」

「屈辱か死か…、ね」


「クソ汚ねぇ規則を作りやがったな」


「それが結果よ」

「軍が能力者を封じるための結果」


「過程はどうでも良いと?」


「貴方も警部に言ってたじゃない」

「必要なのは過程じゃなく結果、だと」


「テメェに対する当てつけだよ」


「…本当に嫌な性格ね」


「自覚はしてるさ」

読んでいただきありがとうございました

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