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秋鋼  作者: MTL2
69/600

夢の女

「起きて」


「…」


「起・き・て☆」


「…」


「起きろオイ」


「…ぁ」


「やっと起きたわね」


「…誰ですか?」

「帰って寝たはずなのに…」


「ぇ-、酷い」

「この前、会ったじゃない」


「会った…?」

「あれ…、この白い空間…」


「君の夢の中!」

「前回はロクに話す時間がなかったからね」


「夢の中…?」


たったったと辺りを走り回る波斗


「…何してるの?」


「いや、自由に動けるのかと」


「普通は[夢]とか言われたら頬を抓ったりしない?」


「これが夢じゃなかったら何なんですか」

「明晰夢かどうかを調べてるんです」


「ほぅ、よく知ってるわね」


明晰夢とは夢の中で自由に動ける夢の事である


「さてさて、今日はどうだった?」


「今日…?」


「色々有ったでしょう」


「まぁ、確かに…」


火星さんの過去

夜斬と城ヶ根

祠野さん

ケジメ


…数えだしたらキリがないな


「大変だったね、今日は」


「[今日も]の間違いですよ」


「ハッハッハッハ!君は面白いね」


「…て言うか」


「?」


「誰なんですか」


「…今更、だねぇ」


「今更です」


「夢では一度でも会った人の事を覚えてるらしいよ」

「脳が記憶…」


「貴方を見た覚えはありません」


「忘れてるだけかも♪」


「こんな強烈な印象を忘れるはずがないでしょう」

「真っ黒の鉄珠さんでも、ここまでの印象は残しませんでしたよ」


「私は真っ白かな?」


「見ての通り」


「むぅ」

「可愛い?」


「…まぁ、良いんじゃないですか?」


「惚れちゃう?」


「すいません、5歳以上の年上は無理です」


「…私がそんな高齢に見えるの?」


「…」


「…」


「…」


「…年下は?」


「8歳以下…、ぐらいですね」


「ロリコンめ」


「年下も大丈夫なだけですよ!!」


「…」


「…」


「…で、結局は誰なんですか?」


「知ってどうするの?」


「そ、それもそうですが…」

「自分の夢の中に居る人ぐらい知っときたいじゃないですか」


「…まぁね」

「私はアレよ」

「うん、アレ」


「アレって何ですか…」


「…秘密☆」


「一発殴って良いですか」


「酷い!!」


「流石にイラッときましたよ」

「かなり」


「えぇ-…」


「…俺もテストと火星さんの一件で疲れてるんですよ」

「さっさと話してください」


「言わないモンね」


「…」


ゴキッボキッ


「やめてやめて拳を鳴らさないで」


「早く言いましょう」


「…やだモン!!」


パチンッッ




「…あれ」

「ベットの上…」


逃げられた、か


「…畜生」

「誰なんだよ…、あの人」



ドイツ支部


「…ビ-ル美味い」


「よく飲むな、お前…」

「樽分ぐらいは飲んだだろ」


「酒豪だからね…、けふっ」


「ちょっと酔ってるな」

「…何で[ちょっと]なんだよ」


「そう言うゼロもウィンナ-食べまくってるじゃん…」


「ウィンナ-じゃねぇ!!ソ-セ-ジだ!!!」

「美味いんだから仕方ねぇだろ!!」


「え?ウィンナ-じゃないの?」


「ソ-セ-ジじゃないのか?」


「…」


「…」


「…えっ」


「ドイツ支部員!ちょっと来い!!!」



「…ウィンナ-とソ-セ-ジの違いですか」


「そうそう」


「何が違うんだ?」


「えっとですね、確か…」

「ウインナーは豚肉と牛肉を塩漬したものに香辛料を加えて練り合わせて、ケーシング…、つまり羊などの腸ですね」

「それに充てんした後、燻煙・ボイルしたソーセージです」

「オーストリアのウイーンが発祥地のソーセージですね」

「つまり、ウインナーはソーセージの一種なんですよ」


「へぇ…」


「そうだったのか」

「美味いからどうでも良いんだけどな」


「だねぇ…」

「ビ-ル要る?」


「おぉ、くれ」

「ソ-セ-ジ…、ウィンナ-も食えよ」


「ん…、ども…」


「あの、もう良いですか」

「仕事に戻らないと…」


「おう、ご苦労さん」

「ドイツ支部長にお前の給料上げるように言っとくわ」


「ど、どうも…」



「…で、今回の仕事って何だったの?」

「特に何もしなかったけど」


「まだしてないんだよ」

「遺跡に行く」


「遺跡…?」

「歴史に興味が?」


「違ぇよ」

「総督命令でな」


「…総督が?」

「何で…?」


「知るか!」

「遺跡で発掘されたモンを持って帰れだとよ」

「…何が発掘されたんだ?」


「Noのゼロに頼む事かな…」

「一般兵にでもさせれば良いのに…」


「…確かにな」

「重要文献とか書類とかを護らせたっつ-事例は聞いた事は有るが…」

「遺跡の発掘物…、って何だ」


「歴史敵か化石的な何かだよね…」

「そんなに大切な物なのかな…」


「…解らねぇな」

「だが、運ぶモンは説明されてんだ」


「何?」


「[銃]だそうだ」


「銃…?」


「そうだな」


「…ワケが解らないんだけど」

「銃を護衛するの?」


「…だな」


「しかも発掘物だよ?」

「何百年も前の銃を護衛するってのもねぇ…」


「グダグダ考えても仕方ねぇだろ」

「総督命令なんだからよ」


気怠そうに立ち上がるゼロ


「行くぞ」


「うん…」

「…1つ、聞いても良いかな」


「何だ」




「いつまでウィンナ-食べてるの?」


「ソ-セ-ジだって」






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