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秋鋼  作者: MTL2
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勉強

「ハ-バ-ドて…」

「東大と並んで頭が良い大学の象徴じゃないですか」


「単純思考ですね」

「他にももっと有りますよ?」


「それぐらいしか知らなくて…」


「それで良いんですか高校生」


「それはそうと、これ」


「何ですか?この資料」


「診断書よ、昨日の


「あ、忘れてました…」

「ありがとうございます」


「院長の野郎でも解らないらしいわ」


「院長…?」


「ほら、アイツよ」

「へらへらした野郎」


「あぁ、俺を診断してくれた、あの」

「解らないって事は…」


「まぁ、そういう事よ」

「不明な点が多すぎるわね」


「むぅ…」


「多重能力って線は無いんですか?」

「それなら説明が付くでしょう」


「それも無いわ」

「そもそも、多重能力なんて聞いた事無いし」


「そう言えば、茂埜辺も言ってましたね」


「あぁ、あの行方不明の」


「行方不明なんですか、やっぱり」


「黒襟は死んだけどね」

「惨殺死体で発見されたわ」


「え…?」


「黒襟の為なら何でもするような組織だったですしね」

「恐らく、茂埜辺も死んでいると考えられますよ」


「そうでしょうね」


「…あの人が」


ガチャッ


「ただいま-」


大量の荷物でふらつきながらも、どうにか歩く火星


「お帰り」

「荷物はそこに置いといて」


「おう」


ドサドサッ


「多いですね…」


「この前のクロアゲハの一件で給料が入ったからね」

「2人に頼まれてたのと、自分用のとで買ってきたんだ」


「ビ-フジャ-キ-、魚肉ソ-セ-ジ、チ-ズ…」

「…ビ-ル多っ」


「男の夜の楽しみだからね…」

「これぐらいの贅沢は!!」


(オヤジ臭ぇ…)


「ユグドラシルの連中は?」


「軍本部に拠っていくそうだ」


「そう」


「あ、火星さんにお願いが」


「何?」


「来週、テストなんです」

「勉強を教えて貰えませんか?」


「別に良いけど…」

「織鶴は教えてやらないのか?」


「面倒臭いわ」


「「ですよね-」」


「火星も高校生程度の問題なら解るでしょ」


「へぇ、意外ですね」


「あのね、火星だって秋鋼の一員なんだから」

「その程度は…、出来るの?」


「酷っ」

「出来るよ!これでも成績は良い方だったんだぜ!?」


「体育だけでしょ?」


「…はい」


「火星さんって大学出てるんですか?」


「いや、高卒かな」


「高卒…」


「あれ?火星は大学レベルの問題でも解けるって言ってたじゃない」


「能力の無い俺は運動と勉学だけしか努力できねぇからな」

「少しでも皆の手助けになれば、って思って運動と勉学は頑張ってるんだ」


「い、今まで色々言ってスイマセンでした…ッ!火星さん!!」


「え」


「まさか、貴方がそこまで…!!」


「ちょ、何で泣いてるの」


「男やでぇ…!!」


「時々君のノリについて行けない」


「それはそうと、勉強教えてください」


「う、うん…」





「ここは、この式を代入するんだよ」


「ふむふむ…」


「よし、結構やったし休憩しようか」

「御茶でも淹れるよ」


「あ、良いですよ!」

「俺が淹れますって」


「そう?悪いね」

「蒼空君が淹れるのは美味しいからね」


「あはは、褒めても何も出ませんよ」



「うん、美味い」


「どうも」

「…そう言えば、火星さんって何処の高校に?」


「九華梨高校」


「まさかの先輩!?」


「冗談だよ」

「隣県の小さい高校にね」


「び、吃驚した…」

「高卒って事は、その後はここに?」


「いや…、別のトコにね」


「別の所?」


「まぁね…」


「前の所ってどんな所だったんですか?」


「…万屋、かな」


「おぉ!前も万屋だったんですか」

「それで…」


ゴンッッ!!


織鶴の鉄拳が波斗の脳天を貫く


「ぬがっ…」


「無駄話はそれぐらいにして勉強しなさい」

「火星、ちょっと」


「何だよ?」


「良いから来なさい」


「…おう」

「じゃ、蒼空君はプリントやっててね」


「はい…」

(頭、痛ぇ…)


「彩愛、波斗がサボらないように見張りね」


「了解しました」


バタンッ





「…大丈夫?」


「何がだ?」


「古傷、剔られてたけど」


「…まぁ、大丈夫かな」


「そんな辛そうな顔して、よく言えるわね」


「ケジメ付けたつもりだったんだけどなぁ…」

「やっぱりキツいわ…」


「無理、するんじゃないわよ…」


「解ってるって」

「…ケジメ、付けれてねぇなぁ…」

「あの日に…」



読んでいただきありがとうございました

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