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秋鋼  作者: MTL2
54/600

闇に舞う

「ここって女子トイレでしょ?」

「入るのは気が引けてさ-!」


祭峰は冗談っぽく笑い、ゼロの肩をポンポンと叩く


グシャッ


「…危ないねぇ」


祭峰の背後の壁が跡形もなく崩れ去る


「よぉ、まさか早速会えるとは思ってなかったぜ」


「俺は会いに来たんだけどね?」


「関係ねぇな」


「そっちに関係なくてもこっちには有るんだよ」

「お前がさ、ロンドンで使ってた棒」

「ありゃ何だ?」


「…」


「見たところ、五眼衆のボスとの戦闘で能力を使ってたみたいだが…」

「発動条件は?」

「目立った事も無かったよね?」


「説明する理由はねぇな」

「そうだろ?防銛」


「そうね」

「死ねっ」


「遠慮しま-す」


トンッと軽い音と共に外へと飛び出る祭峰


「早いな」


「アンタがトロいんでしょ」


「うるせぇ」


「じゃ!この質問はまた後でね-!」


般若の面を被り、去っていく


「逃げたか」


「追わないの?」


「先刻、攻撃の刹那に発信器を付けた」

「超小型だからな、気付かれない」


ピ-!ピ-!


「これがレ-ダ-だ」

「光っているのが発信器の場所…」


ブツンッ


「…信号が消えたんだけど?」


「…潰されたな」


「役立たず」


「…反論できん」



秋葉原


高層ビル


12F


「げほっ!げほっ…」


「あくまでビルが潰れない程度に爆発を調整しているな」

「俺達が下でクロアゲハの下っ端を寸断するのも計算されていたのか…」

「それとも見捨てるつもりだったのか…」


ブツブツと呟き、仮説を立てる雨雲


---何だよ、この人

凄ぇ


汗だくな波斗に比べ、雨雲は一切、汗をかいてない

5階から12階へ…、7階分を上ったのだ

運動神経に自信の有る波斗でも吐きそうなぐらいだ

アスリ-ト選手でも息切れぐらいはするだろう


なのに

この人は息切れすらしてない

汗も一切掻いてない

ここに突入するときと同じで、全く表情が変わってない

本当に無能力者か?この人は


「蒼空」


「は、はい?」


「能力で階段を封鎖してくれ」

「下から追っ手が来るかも知れない」


「で、でも帰るときは…?」


「また能力で開ければ良いだろう」


「あ、そうか…」


バチィイイイイイン!


「行くぞ」


「はい!」



13階


先ほどまでの階とは違い、一切の明かりが着いていない


「そろそろ最上階が近いのだが…」

「敵が居ないな」


「上で待ち伏せてるんでしょうか?」


「いや…、ここまで来てそれは無いはずだが…」


「そうですよ」


「!」


「誰だ」


暗い部屋の奥から歩いて来る1人の青年


茂埜辺モノベ 雄倫ユウリンです」

「貴方達を始末するよう、黒襟様よりご命令を頂戴しました」


「噂には聞いている」

「クロアゲハ副隊長か」


「そうです」


手を挙げ、何かの合図を送る茂埜辺


「行け」


ダンッ


「来たぞ」


抜刀し、構える雨雲


「え?」


何だ?

暗い部屋の中、白い物が見える…


ザシュッ


「がぁっっ!?」


波斗の肩が薄く斬れる


「阿呆、避けろ」


何だ!?

何が…!?


暗い部屋の中に舞う[何か]


…人?


「気付いたようですね」

「彼等はクロアゲハ戦闘部隊です」

「先刻の雑兵達とはワケが違いますよ」


「戦闘訓練を受けているのか」

「良い連携だ」


キィン!キィン!


雨雲の周囲で火花が散る


(どうなってるんだ!?)


見えない!

暗闇の中を人が動いてるのか!?


ザシュッ


「痛っ!!」


「反撃しなければやられるだけだぞ、蒼空」


「見えな…」


「根性ぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」


ドガァアアアアアアアアアアン!!


「「!?」」


エレベ-タ-の扉から炎が噴き出す


「むぅ…、漸く開いたか!」


「鎖基さん!」


「おぉ!蒼空!!」

「どうした!?怪我をして居るぞ!!」


「それよりどうして…!?」


「途中、エレベ-タ-が止まったのでな!!」

「自力で這い上がってきたぞ!!」


「馬鹿な…!6階で止めたと連絡が有ったはず…!!」

「7階分を登ったというのですか!?」


「気合いだッ!!!」


(この人ならやりそうだ…)


「…好都合だ」


刀を鞘に収める雨雲


「雨雲さん?」


「ここは鎖基に任せよう」

「俺達は上へ行くんだ」


「良いんですか!?」


「鎖基はこの暗闇に有利だ」


「え…?」


「…後で説明してやる」

「行くぞ」


「は、はい」


14階へと走っていく2人


「待て!追うんだ!!」


「ぬぇえええええええっっっっい!!!」


ゴガァアアアアアン!!


「ぐぁっ!!」


「ぎゃぁあああ!!」


2人の戦闘兵を殴り飛ばす鎖基


「貴殿等の相手は我だ!!」

「掛かってくるが良いッ!!」


「ここは任せたぞ」


「茂埜辺様はどうなさるんですか?」


「奴等を追う」

「お前達にはこの者を任せる」

「中々の強者のようだが、お前達の連携ならば大丈夫だろう」


「了解しました」

「全ては黒襟様の為に」


「…そうだな」

「黒襟様のために」



入り口


「チッ…」


「おい!何処に行った!?」


「捜せ!」


「思った以上に数が多いな…」

「…久々にザコテでも使うか」



(おい!)


(何だよ)


(あの柱から煙が漏れてるぜ)


(なるほどなぁ…!あの野郎、落ち着こうとして煙草を吸ってやがるんだな)

(その煙が漏れて…)

(ククッ!馬鹿野郎だぜ!!)


(おい、1、2の3で行くぜ)


(おう!)


(1、2の…)


((3!!))


柱の影に走り込んだ2人の目に入ったのは


「ダイナマイト…?」


ドォオオオオオオオン!!


「!?」

「何だ!!」


「爆発です!」

「2人が吹っ飛ばされました!!」


「何だと!?」

「奴は何処だ!!」


「解りません!!」

「今、捜して居ますが…!!」


「クソっ…!!」



3階


「…ん-」

「もうちょい手応えが有るかと思ったんだけどね」


「がっ…、このっ…!!」


地面に平伏す来牢とだらんと座っている馬常


「俺の腕力超強化が効かねぇ…!?」


「どんな攻撃も効かないよ…」

「俺の能力の前にはさ…」


「っざけんなぁあああああああ!!」


ゴキンッッ!!


「コレでどうだ…!?」


「ん-…」

「まだ立ち上がれたんだねぇ」


「!!」


「残念だけどさ…」

「意味ないよ」


ゴッ!


「あがっ…!!」


「君は重要な証人だから…」

「殺しはしないよ…」


「こっ…!の…」


ドサッ…


「…火星は無事かな」




読んでいただきありがとうございました

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