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秋鋼  作者: MTL2
51/600

クロアゲハ

「まだかな…」


「お待たせしました、にゃん」


「お…、ありがとう」

「…って雨雲じゃん」


「やはりお前か、にゃん」

「馬常、にゃん」


テ-ブルに置かれるオムライス


「ん…」


ぱくりとオムライスを口へ運ぶ馬常


「美味い…」


「どうしてお前がこんな所に居る、にゃん?」


「野暮用でね…」

「…闘る?」


「いや、ここでは被害が大きすぎる、にゃん」

「中級犯罪者、馬常 轡、にゃん」

「お前とは闘うのは気が引けるからな、にゃん」


「だってねぇ…」

「軍を辞めただけで犯罪者扱いだし…」


「お前が犯罪を起こさない限り軍も始末する気は無いらしいぞ、にゃん」

「それにしても野暮用とは何だ?にゃん」


「ん-…、教えても良いんだけどさ」

「あれ、やってよ」


「何、にゃん?」


馬常が手をくいくいと上下させる


「にゃんにゃん」


「…可愛くないね」

「なんか無愛想…」


「店員には褒められたのだが…、にゃん」


「そのにゃんも似合わないよ」


「…そうか」

「で、野暮用を教えて貰う」


「ん-…、まぁ約束だしね」

「祭峰って知ってるかな」


「知っている」

「当たり前だろう」


「その祭峰がね、ここらに居る能力者組織を煽ってるらしいんだ…」

「[クロアゲハ]って知ってるよね…」


「あぁ、知っている」

「有名な能力者組織だ」


「その組織を壊滅させろ、って命令が来てね…」


「…命令?」


「軍から…」

「信用回復っての?」

「これを成し遂げたら軍公認の能力者にするって…」


「…乗ったのか?」


「当たり前でしょ…」

「乗れば軍から逃げなくて良いしさ…」


「…そうか」

「だが、あの組織のトップは厄介だぞ」


「上級犯罪者…、黒襟クロエリ 数珠ジュズ

「女にしてトップに立つ…、念力系能力者だよね…」


「側近達も厄介だ」

「1人で行くのか」


「それなんだよね…」

「君達がここで働いてるって聞いたから…」


「…そういう事か」


「織鶴からさ…、許可も降りてるんだ…」

「良いよね?」


「…そう言うことなら文句は言うまい」

「野暮用とは俺達を迎える事か」


「織鶴もさ…、このために君達に任務を与えたらしいよ…」

「うん…」


「解った」

「これは数時間後には終わる」

「その後、集合しよう」


「うん…、話が早くて助かるよ…」

「オムライス美味い…」



数時間後


車内


「えっと…、この人が」


「馬常 轡」

「元軍の研究者にして能力者だ」


「よろしく…」


「おいおい!確か馬常って中級犯罪者だろ!?」

「何で平然と居るんだよ!」


「落ち着け、火星」

「今は味方だ」


「よろしくな!芭蕉バショウ!!」


馬常バジョウね…」

「俳句は得意じゃないんだから…」


「ともかく、今回はコイツの任務に協力するのが本来の目的だ」

「[クロアゲハ]という組織の壊滅だ」


「[クロアゲハ]って結構有名な所だろ!?」

「軍と互角に闘り会うとか言うし…」


「何より結束力が強いらしいよ…」

「チ-ムワ-クが特徴かな…」


「そうか!!」

「チ-ムワ-クか!!!」


(解ってるんだろうか…、この人は)


「場所は解ってるからね…」

「明日の日の出と同時に奇襲するから…」


「解った」


「うむ!!!」


「解りました」


「おう!」


「あ-…、火星はね…」


「何だ?」


「別にやって貰う事が有るから…」

「下っ端の相手ね…」


「…やっぱり?」


「相手は能力者だし…」

「雨雲みたいに強くもないでしょ…」

「…って織鶴が言ってた」


「あのヤロ-…」


「おにぎりは鮭だね…」


「昆布も捨てがたいぞ!!!」


「てか、何でおにぎり食ってるんですか…」


「腹が減ったのだ!!」


「車の中に有ったし…」


「俺もいただこう」

「梅だな」


「じゃ、俺はツナマヨいただきますね」


「…俺の分は?」


「「「「無い」…」!!!」ですよ」


「…泣きてぇ」



軍本部


45F総督室


「馬常を!?」


「そうよ?」


「クロアゲハだったら俺に行かせろって!!」

「黒襟とは闘ってみたかったんだ!!」


「文句言わないでよね」

「馬常にはチャンスを与えたのよ?」


「あの野郎にか…」


「彼を敵に回すのは厄介だからね」

「何も無しってのはこっちの面子に関わるし♪」


「チッ…」


「それに貴方には別の任務よ」


「何?」


「フランスで暴動よ」

「押さえてきて」


「…その程度、別の野郎にやらせりゃ良いだろ」


「そうでもないのよね」

「暴動の裏で祭峰が動いてるわ」


「…祭峰?」

「野郎が、か」


「そうよ」

「万が一、遭遇したら…」

「解ってるわよね?」


「無論だろ-が」


「そう、安心したわ」

「そうそう、何人か連れて行って良いわよ?」


「そうだな…」

「防銛だ」


「あら、珍しい」

「貴方、あの子と関係なんて有ったかしら?」

「…まさか、そういう趣味?」


「テメェまでアイツ等と同じ事言うんじゃねぇよ…」

「前に言われててな、このテの任務が有ったら呼べと」


「やばくなったら止めてね?」


「…どういう意味だ?」


「あの子はそういうのだから」

「貴方だったら安心でしょ」


「…?」



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