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秋鋼  作者: MTL2
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男の入店

店内


「何だ、仕事でか」


「それ以外に何が有るんだよ…」


「てっきり蒼空がそっち系に目覚めたのかと」


「それは無いから」


「あの人達は?」

「仕事仲間の火星さん」

「熊谷は知ってるよな?」


「うん、猫の時の人だね」


「で、あの」


「いらっしゃいませぇええええええ!ご主人様ぁああああああああああ!!!」


「って言ってる人が鎖基さん」


「あの美人は!?」


「…蔵波」


「教えろって!ミスコン出れるぜ!!」


「あの人は男だ」


「え」

「いや、嘘だろ?」


「雨雲さぁ-ん!」


「何だ、蒼空」

「早く仕事に戻れ」


「男ですか?」


「当たり前だろう」


「いやいや、こんなメイド服のに会う男が居るかっての!!」

「なぁ!?熊谷!!」


「え-」


「手だって綺麗だし!足とか綺麗だし!!」

「とにかく綺麗だし!!」


「少し静かにしろよ」

「他のお客さんに迷惑だろ?」


「いやいや!だって!!」


「雨雲…、さん」

「少しお願いして良いですか?」


「何だ?少年」


「実は…」


「…ふむ」


「お願いします」


「解った」


蔵波の前にかがみ込み、雨雲が目線を合わせる


「静かにしてくれないかな?」


にっこりと微笑み、頭を撫でる


「ぐはっっっ!!」


「く、蔵波!!」


「もう…、死んでもいいや」


「しっかりしろって!!」

(なんて破壊力…!!)


「あいがと-ございます」


「いや、構わない」

「では、俺は表の広告配りに…」


「店員さ-ん!俺にもお願いしますっ!!」


「俺も-!!」


「俺も!俺も!!」


「大盛況ですね…」


「雨雲さんは店内でお願いしますね♪」

 

「解った」


「お、俺は…?」


「蒼空君は外でお願いしますね!」


「やっぱりですか…」


「頑張れよ-!」


「頑張れ~」


「人が仕事してるってのに…」




軍本部


1F受付


「…」


ボロボロに傷ついたゼロ


「おや?」

「ゼロさん、どうしたんです?」


「布瀬川か…」

「女って怖ぇな…」


「?」


「昨日よ…、セントを家に連れて帰ったら森草の野郎がブチ切れてよ…」


(面白い話になりそうですね)



数時間前


森草家


「ここだ」


「案外、普通の家なんですネ」


「何を想像してたんだ?」


「もっとボロボロかト」


「お前なぁ…」


ガチャッ


「帰ったぞ-」


(ふふふ、もしかしたらゼロさんと添い寝なんテ…♪)


「あ、お帰りなさい」

「遅いから先にご飯食べちゃいました…よ…?」


「あ…レ…?」


「おう、森草」

「軍の研究者のセントだ」


夜→家に連れ込み→年下の女性+美人→☓☓☓


「貴方ハ…!!」


夜→同居→年下の女性+美人→☓☓☓


「貴方って人は…!!」


「「このロリコン!!!」」


ゴキンッッ!!


「がはぁっっ!?」



現在


軍本部


「そんな事が」


「俺が何をしたってんだ…」

「避ける暇すらなかったぜ…」


「お疲れ様です」

「それはそうと、面白い能力犯罪者が目撃されてますよ」


「誰だ?」


馬常バジョウ クツワです」


「…あぁ-、居たな、そんなの」

「元は軍に居た奴だろ?」


「えぇ、居ましたよ」

「本部勤務だったにも関わらず、業務時間の多さを理由に軍を辞めた男です」

「元は私の同僚だったんですけどねぇ」


「能力者で研究者なんざそうそう居ねぇからな」

「記憶の片隅程度には置いといたが…」

「まだ生きてたのか」


「はい」

「最近、日本の空港で目撃されまして」


「今更か?」

「海外でのんびり過ごしてるって聞いてたんだが」


「…詳しいですね?」


「…フン」

「アイツが面白れぇ能力持ってるから知ってるだけだ」


「面白い能力…、ですか」



萌え×2☆LOVE☆ニャン×2娘のメイド喫茶


玄関前


「ちょいと」


「あ、いらっしゃいませ」


「何で男がメイドの格好してんの?」


「ま、まぁウケ狙いですから」


「っそ…」


(何だ、この人…)


碧色の目、ぼさぼさの黒い短髪

白いTシャツと青のジ-ンズ

首に巻いた汚れた包帯

顎に生えた無精髭

異様に大きな傘を背負い、パタパタとサンダルを鳴らせながらだらんとしている


「え-っと…」


「店、この中だよね?」


「は、はい」


「っそ…」

「…広告、配ってんの?」


「はい」


「この天気の中?」

「大変だねぇ…」

「暑いっしょ?」


「ま、まぁ暑いですけど」

「仕事ですから」


「健気だねぇ…」

「っそ…、っか」


「は、はぁ…」


「広告、くれる?」


「あ、どうぞ」


「うん…、うん…」

「パフェがオススメなんだ…」

「うん…」

「…ども」


ゆっくりと店の中に入っていく男


「入店してくれた…」

「良かった…、のか?」


「客引き成功じゃん!蒼空君」


ぽんっと火星が蒼空の肩を叩く


「は、はい!」



店内


「会計、お願いします」


「ありがとうございました-♪」


「お-!お姉さんも綺麗だな!」


「あらあら!ありがとう♪」


「蔵波ぃ~」


「何だ?熊谷」


「早く帰ろうぜ」

「眠い」


「馬鹿野郎!この天国から早々帰ってたまるか!!」

「あぁ!あと5年ぐらい居たい!!」


「いや、パフェ食い終わった後も散々居続けただろ…」

「店に迷惑だよ」


「う…」


カランカラ-ン


「「「いらっしゃいませ-♪」」」


「ども…」


「…」


「ん…、横ゴメンね…」


「あ、すいません…」


のそりのそりと店内に入っていく男

それを避ける蔵波と熊谷


「…帰るか」

「何か…、萎えた」


「それが良いと思うよ~」



玄関前


「じゃ、帰るわ」


「そうか」

「じゃぁな、2人とも」


「頑張れよ~、蒼空ぁ~」


「おう!頑張るぜ!」


手を振り帰って行く2人


「俺も頑張らなくちゃな…」


「いらっしゃいませぇええええええ!ご主人様ぁああああああああああ!!!」


(相変わらずうるせぇ…)



店内


「…」


「にゃんにゃん♪」


「にゃん文字お願いしまぁ~す!!」


「了解にゃん♪」


「…ねぇ」


「何でしょうか?お客様♪」


「あのにゃん文字って何?」


「にゃん娘達が愛を込めて描く文字ですにゃん♪」


「どうやったら描いてくれるの?」


「にゃんにゃん特性オムライスを頼めば描いてくれるにゃん!」


「んじゃ…、それ1つ」


「にゃんにゃん特性オムライス!注文いただきましたにゃ-ん!!」


「「「にゃぁ~ん♪」」」


「…元気なんだねぇ」


「元気がモット-ですにゃん!」


「へぇ…」


「…」


「どうしたにゃん?雨雲にゃん」


「いや…、何でも無い」


「語尾に[にゃん]を忘れてるにゃん!」


「…何でも無い、にゃん」

読んでいただきありがとうございました

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