表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
388/600

エアコン


万屋


ムシムシとした室内

珍しく薄着な彩愛と織鶴

普通一般常時ならば男には嬉しいサービスショットだが、今の波斗と火星に、そんな余裕はない


「…あの、織鶴様」

「もうよろしいでしょうか…」


「まだ仰いで」


「勘弁してぇぇえ…」


「彩愛さん…、そろそろ腕が」


「頑張ってください」


「もうヤダ…」


暖房が故障し、室内温度38度という真夏日真っ青の温度

かと言って、外に出れば肌寒い上に仕事もできないので室内で蒸し焼き状態である


「…どうします?」

「これからの季節、暖房故障なんて洒落になりませんよ…」


「内は大火事、外は大吹雪、か」

「ハハッ!地獄だ……」


「…買い換えましょう」


「馬鹿仰有いな…」

「エアコンなんて、幾らすると思ってんの…」


「織鶴さんの浪費を抑えれば、何ら問題は無いと思いますが」


「…人工扇風機で良くない?」


「「俺等を殺す気か!?」」


「……えー」


「鉄珠さんは何処に行ったァ!?」

「あの人の役目だろオォオオオオオ!!」


「…俺は?」


「火星さんはデフォルトでしょう…」


「…だよね」


「…買い換え、か」

「デパートに行くの面倒ね…」


「そんな事言わないでくださいよ、織鶴さん」

「このままじゃ蒸し殺しですぜ…」


「……でもねぇ」


「織鶴さん、これは来年にも響きますよ」

「年越しをこんな業火の中で過ごしたくありません」


「う、うーん…」


「…織鶴」

「買い換えよう」


「……」


「「「織鶴」さん!!」」


「…はぁ、仕方無いわね」

「火星、波斗」

「買ってきなさい」


「…俺達だけ?」


「何か文句でも?」

「カードは渡すわよ」


「…蒼空君、お寿司とか食べたくない?」


「良いですね、ステーキとか」


「そうだねー!パフェとか!!」


「1人でケーキのワンホール挑戦しますか!!」


「解ったわよ!着いていけば良いんでしょ!!」


(って言うか脅しが地味ですね…)




九華梨デパート


「…暑っ」


「いや、普通は「暖かい」でしょ」


「歩いてくれば良かったですね…」

「なんか妙に火星さんの車が快適だったから…、逆にここが暑い」


「空調設備の良いヤツに変えたんだよ…、この前壊れたから」

「こういう時に軍保険は助かる」


「何で壊れたんですか?」


「…高速道路渡り」


「?」


「…さ、行こうか」


「は、はぁ」



デパート2階


家電売り場



「…高っ」


「近年の家電は高性能だけど値段がね…」


「…あれ?織鶴さんは?」


「そう言えば…」

「何処行ったんだろ」


「探してきましょうか」


「うん、頼むよ」

「…って彩愛も居ない」


「じゃ、俺は彩愛さんを探してきますんで」

「火星さんは織鶴さんをお願いします」


「あぁ、解ったよ」




「…マッサージ売り場」

「乗馬マシーン」

「に、乗ってる彩愛さん」


「あうあうあうあうあうあう」


「メッチャ前後に揺れてる」

「揺れる物は無いけど」


「何ぅか言いまぅしたかぅ?」


「何でもないです」


カチッ


「…次はマッサージ機にしましょう」


「あの、俺達はエアコンを買いに来たのであってですね」


「あうーーーーー…」


「あ、駄目だ、極楽の世界に旅立ちやがった」

「彩愛さん!エアコンは!?」


「もう良いじゃないですかぁー…」

「ここで暮らしましょうーー…」


「閉店と同時に追い出されますよ!?」

「もー…、ホント勘弁してくださいって…」


「…仕方有りませんね」

「次のマッサージ機で最後にしましょう」


「…豊胸マッサージ?」


「……」


「…」

「…あ、ごゆっくりどうぞ」


「さっさと買いに行きましょうか!!」




「…織鶴がいない」

「何処行ったんだ、全く」


「あ、火星」

「何してんのよ」


「…織鶴?」

「何処行って…」

「…ナンパされた?」


「違うわよ」

「喪服を買いに行った時の不良共の頭が来たみたいでね」


「…えっと、一応聞くけど」

「その服に付いた赤は血じゃないよね?」


「今日は服も買わなきゃねー」


(ご冥福をお祈りします…)




「彩愛さん発見し、確保ました」


「こちらも織鶴発見して確保」

「お疲れ様…」


「乗馬マシンとマッサージ機でガクガクしてましたよ」


「老人かよ…」


「織鶴さんは?」


「…今、新しい服を買いに行ってるから」


「…大体の想像は付きました」


「うん…」


「で?どれを買うんですか」

「早く決めてください」


「焦るなよ、彩愛」

「家電製品ってのは値切りが出来るからな」

「ちゃんと他店と比べて値段を見る!」

「家電製品を買う上で重要なのは調べること、だ」

「何も調べずに買ったら大損だぞ!」

「ま、それは全ての買い物に言えるんだが…」


「火星の貧乏人根性はどうでも良いです」

「それより早く買って、乗馬マシンに座らないと」


「…彩愛も、少し節約すれば買えるぞ」

「それか織鶴みたくジムに行くとか」


「織鶴さんってジム行ってるんですか?」


「週一でね」

「偶に荷物運びするから知ってるけど、あそこ凄いよ」


「…どんな風に?」


「男禁制」

「女性だけで、インストラクターも女性だけ」

「…ま、織鶴はプラチナだか何だかで専門ルームがあるらしいけど」


「能力使えば筋トレなんて必要ないんじゃ…」


「普段日頃の弛まない努力、ってヤツじゃない?」


「あぁ、なるほど」


「…あの体型はそうとして」

「あの胸は?」


「…いや、それは知らないけど」


「生まれ付き、ってヤツじゃないですか…?」


「所詮、男は胸ですね!胸!!」

「ハッ!胸が良いのか!大きいのが良いのか!!」

「おっぱいなんて脂肪の塊だぁああああああああああ!!」


「彩愛さんが壊れた…」


「遂に胸に対するストレスが爆発したね…」





軍病院


「貧乳でも良いじゃない!素敵だもの!!」


「…何を叫んでるんですか、院長」


「いや…、なんとなく…」


「…仕事してください」


「…はい」



読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ