表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
384/600

撹乱


223号室


「……むにゅう」


「ぬふふふふふふふふ的なぁ♥」


「…西締よ」

「いい加減に楓から離れぬか?」


「黙れ鎖基」

「楓ちゃんを襲わないけど、ずっと抱きしめていても良いと言う理由で私は大人しくしている的な!!」

「恨むなら交換条件を出したシーサーを恨め的な!!」


「かなり渋々だったろう…」


「鎖基ぃ…」


「…すまぬ、楓」

「諦めてくれ」


「西締お姉ちゃん、お腹すいたぁ…」


「ぬふふふ!私を食べる?的なぁ~♥」


「普通にご飯が食べたい…」


「鎖基、ダッシュ」


「我かぁ!?」


「私は楓ちゃんをペロペロするので忙しい的なぁ!!」


「やだぁ……」


「嫌がっているぞ!」


「心は嫌がっても、体はぁ~?」


「いやぁ…」


「嫌がっているぞ?」


「むぅ、ペロペロは諦める的な!」

「モフモフにちぇーんじ!!」


「ふにゃぁっっ!?」


「モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフペロペロモフモフモフ」


「ペロペロも混じっておるぞ!?」


「鎖基はとっとと側の出前を取ってこい!的なぁ!!」


「横暴であろう!!」


「誰か助けてぇ~~……」


ガチャッ


「…う、うむぅ」


「む!?之乃消ではないか!!」

「久しいな!!」


「…ひ、久しいでござるな」

「しかし、何たるこの状況?」


「丁度良い!手を貸せ!!」

「楓を救うのだ!」


「い、いや、しかし」

「…隊長殿?何をしているのでござるか」


「もう隊長じゃない的なぁ~」


「こ、これは失礼したでござる!!」


「そのような事よりも!楓を救出するのだ!!」


「きゅ、[救出]とはこれ如何に…」


「モフモフモフモフモフペロペロペロペロモフモフモフ」


「…救出でござるな」


「手伝うのだ!!」


「りょ、了解したでござる!」





「「 」」


「ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ」


「あ、雨雲ぉ~!」


「雨雲もペロペロペロペロペロペロペロペロペロ」


「いやぁ~…」



休憩所


「!?」


「…どうした」


「いや…」

「何か悪寒を感じたが…」


「…?」







元老院本部


大会議室


「……」


不機嫌そうに椅子に座るシヴァ

その光景を珍しそうにアヌビスが見つめる


「…何だ」


「い、いや!違うんですよ!?」

「ただ、俺っちは珍しいなぁ~…、と」


「…珍しい?」


「な、何でもないッス…」


「……他の奴等はどうした」


「皆さんは祭峰の方に行ってるッスよ」

「だけど、情報が多すぎて戦力分散中ですね」


「…奴等ならば、祭峰はともかく他の奴等を1人で消せるか」

「貴様は?」


「俺っちは流石に戦闘タイプじゃないんで…」


「…そうだな」

「所で、情報が分散とは?」

「どういう事だ」


「情報収集は軍がやってるんですけど…」

「防銛ちゃんが見張ってるし、誰かが潜入して撹乱とかも無いはずですけどねぇ」


「…軍、か」

「内通者が居る可能性が在る、と布瀬川総督生前に言われていたな」


「それについちゃ、捜査中です」

「元No,3ことゼロだと俺っちは思うんですけどね」


「…あくまで可能性だ」

「それに奴は戦闘力は目を見張る物があるが、情報操作は然程ではなかったはず」

「よく調べておけ」


「りょ、了解っす!」

「…にしても」

「何で、こんなにガセ情報が入ってくるんでしょうか…?」




軍本部


地下配線施設


「…くっしゅん!」

「風邪かなぁ…」


「おい、俺のPCに唾液をかけるなよ、城ヶ根」


「手で防いだから大丈夫でしょ」

「にしても…、中々厄介だねぇ…」


「…いや、むしろ有り難い」

「まさか奴等もチェックした情報を後から改ざんされるとは思ってないだろうからな」


「夜斬も良いコト考えるよね~♪」


「提案は俺だが、アイツの協力が無ければ成し得ない事だ」


「どうしてあの人って協力して来たんだろうねぇ」


「…さぁな」

「それは祭峰しか知らん」


「ふー…ん」

「祭峰も祭峰で怪しいんだけどね」


「…喋ってないで手を動かせ」

「俺達の任務を忘れたか」


「はいは~い♪」


「…例え、祭峰が何を考えていようとも関係はない」

「解っているだろう?俺と奴等の関係を」


「利害一致、でしょ?」


「…そうだ」

「少なくとも、それがある内は奴等の元に着いている」


「…そうだね」

「ま、俺は楽しけりゃ良いんだけど♪」


「それだけ、か?」


「あはは~♪夜斬だってそうじゃん?」


「…全く、貴様と言う奴は」

「要らん所で真理を突く……」




森草の家


「……」


「…どうしたんですカ?森草さん」


「あ、セントさん」

「いえ、何でもないのよ」

「それより馬常さん見なかった?」


「馬常さんですカ?」

「見てないですネ」


「…そう」


「どうかしたんですカ?」


「…ううん!」

「何でもないの!!」


「…?」


「…ねっ、セントさん」


「何ですカ?」


「ゼロさんを…、信じる?」


「勿論でス!!」


「…そう、解った」

「うん」


「…どうかしたんですカ?」


「な、何でもないの!」


森草の脳裏を過ぎる、彩愛の言葉

彼女から渡された物を握る手に汗が滲む






「最後に、良いですか?」


「何ですか?」


「これを渡しておきます」


「…写真?」


「全滅した軍諜報部隊が最後に送ってきた物です」

「それを見て、よく考えてください」


「…?」



彩愛に渡された写真に写っていたのは

祭峰の後ろ姿

そして、見まごう事なきゼロだった




「…?」


不思議そうに首を傾げるセント

森草の悲しそうな笑みを見て、心配そうに語りかけようとする


「そ、それじゃぁね!」

「私、宿題があるから!」


「森草さン!」


セントの呼びかけを無視し、森草は階段を駆け上っていく


「…もウ」

「どうしたんでしょうカ…?」



読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ