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秋鋼  作者: MTL2
38/600

No,3vsボス

「ここは私に任せて先に行け」


「了解、ボス」


数十人の五眼衆がゼロを避け会議会場へと入っていく


「行かせません」


それを遮るロンドン支部の戦闘員達


「行くぞぉおおおお!!!」


「迎えますよ!!」


「おお!!」


ガキィン!ガキィン!!


戦闘を始める両軍


「…」


「…」


両軍の戦闘の中、2人は微動だにしない


ゼロが布を巻いた棒を手に取る


「…珍しいな」

「お前が武器を使うとは」


「テメエの実力を見誤ってるワケじゃねぇんだよ」

「…どうして軍を裏切った」


「耐えられなかっただけだ」

「軍に…、な」


ドッ!!


ボスがゼロへと拳を振り上げる


ガキィイン!!


「ぐっ…!!」


棒がボスの拳を防ぎ、ゼロは歯を食い縛る


「本当に無能力者かよ…!テメェ!!」


「無能力者だ」

「正真正銘の…、な」


ギリギリと硬直する2人


「むんっっ!!」


ゴッッ!!


ゼロの腹部にめり込むボスの脚


「がっ…!!」


「どうした」


ゴスッ!ゴスッ!!


「ぬぅえいっっっ!!!」


ゴンッッ!!!


「…っかぁ」


コンッ


ボスの首筋に当てられる棒


「む…?」


「っっらぁあああああ!!」


ゴキンッ!!


「むぅっ…!!」


そのまま薙ぎ払われ、ボスの頭部が跳ね上がる


「クソッ…!死なねぇのかよ…!!」


「やるじゃぁないか、No,3…」


距離を取り、睨み合う2人


「…ふぅ」


ガンッッ!!


ゼロの足下は砕け、石礫が転がる


「俺の能力を知っているか」


「身体強化系か?」


「…表向きはな」


石礫を拾い上げ、ガリガリと掌で握りしめる


「行くぜ」


「…来い」




廃墟


「会議会場じゃ始まったみたいだな」


ギィ…


「…来たか」


立ち上がる雅堂


「2人で会うのは何年ぶりだ?」


「8年?いや、もうちょいかな…」


「…今回は殺し合いだな」


「そうだな」


部屋に入ってきた男

雅堂を見詰め、小さく溜息をつく


「…酷い目だな」

「俺も、お前も」


「そう、だな」


「彼は?彼はどうだろうな」

「生きている目だ」

「死人のような…、ゴミのような目じゃない」


「記憶が無いからだろう」

「あの…、記憶が」


「そうだな、11人目」


「…そろそろ始めよう」

「仕事を長引かせるのは好きじゃない」


「…軍の狗に成り下がったな、お前」

「俺を消しに…、いや処分しに来たか」


「機密を逃がすな」

「総督からの命令だ」


「戦いたくねぇんだよな…、お前とは」


「だが、逃げた貴様を処分しなければならない」


「そりゃ、逃げるさ」

「…お前はよく耐えられたな」

「[能力者狩り]…、最悪の任務だった」


「…」


「全Noが出動し、殺戮を繰り返した」

「泣く子どもも老いた老人さえも…」

「全て殺した」


「…だが、あの任務は必然だった」

「それは事実だ」


「…あぁ、そうだな」

「だからこそ、彼という希望が生まれた」


「[希望]か」


「俺もお前も、破壊する能力だ」

「壊す事しかできない」

「だが、彼は生み出す」

「破壊と創造、対を成す存在」

「彼は[希望]だ!!」


「…小さく乏しい希望だな」


「それで良い」

「能力者狩りで!生き残った彼ならば!!」


「…心配するな」

「彼は生かす」


「今は、だろう」

「器となれば壊すだろうが」


「…俺は手放すワケにはいかない」

「この、力を」

「彼女を」


「今までも、そうやって6人の器を壊してきた」

「だが…、彼は壊させない!!」


「関係ないだろう」

「貴様は死ぬ、今、ここで」


「やってみろ!!!」



路地裏


「狐のお面か…」


ズゥウウン…


「何だ!?」


路地裏から飛び出し、辺りを見回す波斗


「アレは…!!」


黒煙を上げる会議会場


「敵襲!?」

「急がないと…!!」


ドォオン!!


「!?」


波斗のすぐ近くのビルから爆音が響く


「どっちに…!!」

「~~~~!!」


ダッ!!



会議会場


裏口


カァン!カァン!!


正門と同じく、こちら側でも戦闘が始まっていた


「森草さん!」


「どうしたの!?」


「廃墟からも黒煙が…!」

「戦闘が始まってます!!」


「廃墟!?」

「もう誰も居ないでしょ!?」


「雅堂さんが…!!」


「!!」


「どうしますか…?」


「…行くわ」

「ここは任せるわよ!!」


「はい!!」


(待ってて…!雅堂…!!)

読んでいただきありがとうございました

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