表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
36/600

任務開始

食堂


「…」


「…」


虚ろ虚ろで食事を取る波斗とベルア


「半分、寝てるのか?」

「顔洗って来いよ」


「10回ぐらい洗いました…」


「眠いです…」


「…昨日は寝れなかったのか?」


「「全く」」


「まぁ、予想はしてたけどな」

「つ-か、蒼空は大丈夫なのか?」


「はい…?」


「今日は護衛任務だぜ?」

「昼の1時に本部に集合だそうだ」


「今って何時ですか…」


「7時」

「ちょっとでも寝たらどうだ?」


「そうします…」

「ふぁぁ…」


「…う-ん」


「ベルアちゃんも任務に出るんだっけ?」


「はい、私は外回り組です…」


「昨日はお楽しみだった?」


「そ!そんな事!!!」


「ま、待って!」


「え?」


とてとてとベルアに周りをクロルが駆け回る


「ど、どうしたのです?」


「こ、この子が逃げるの…」


ベルアの右足に虎が乗っている


「…はぁ」


ひょいと持ち上げ、クロルに手渡す


「しっかりしてくださいです」


「ご、ごめんなさい…」


「まぁまぁ、良いじゃねぇの」

「クロルちゃんも任務に出るんだろ?」


「わ、私は会議場の入り口警備に…」


「じゃ、俺もそこに行くかな」

「一緒に頑張ろうぜ!」


「は、はい!」


「私は蒼空 波斗とですね…」

「頑張らねばです!!」


「頑張ろうぜ-!」


「お、「お-!!」です!!」


「お早うございます」

「気合いが入ってますね」


「りょ、僚艦!!」

「お、お早うございます」


「お早うございますです」


「…」


「元気がないですね?Mr,テツダマ」


「そ-っすね…」


「…やはりですね」


「?」


「クロルは知らないですか?」


「な、何をですか?」


「僚艦の部屋に入り一晩を過ごした男性はトラウマになる」

「女子寮の七不思議の1つなのです…」


「こ、怖いですね」


「怖いですよ…」

「帰ってこなかった人も」


「お喋りはそこまでです」

「早く食事を済ませてくださいね?」

「貴女と蒼空 波斗だけですよ?朝食を食べ終わってないのは」


「はいです…」



洗面場


バシャバシャッ


「ふぅ…」

(まだスッキリしないなぁ…)


「あの、隣よろしいですか?」


「あ、すいません」


申し訳なさそうにしている女性に洗面台のスペ-スを開ける波斗


(食事、終わらせるかな…)


「あ、あの!」


「はい?」


「貴方は本部の使者の方ですよね?」

「日本人ですか?」


「そ、そうですよ?」

「日本語、お上手なんですね」


「この寮では今、日本ブ-ムなんです!」

「ウェルタ支部長が日本のドラマを見始めて、それを僚艦に進めたのが始まりなんですけど…」


(あの人が原因か)


「…あ」


「どうしたんです?」


「そろそろ用意しなくちゃ」


「え?」


「あら、貴方は参加しないですか?任務」


「あ!!!」


「…急いだ方が良いですよ?」


「ありがとうございます!」

「じゃ!」


波斗は洗面台の水も出しっぱなしにしたまま、食堂へと走っていく



食堂


「お、帰って来た」


「鉄珠さん!!」


「ベルアちゃん達は行っちまったぜ」

「早く食えよ」


「1時じゃなかったんですか!?」


「ちょっと面倒な事になったらしくてな」

「緊急収集が掛けられたらしい」


「面倒な事…?」



応接室


ドアをノックし、部屋へと入る波斗と鉄珠


「失礼しま-…臭ッ!!」


思わず叫んでしまった

臭い!酒臭い!!


机の上には散乱したチェスの駒と盤

そして空のビン


「がぁ…」


まるで休日のオヤジの様に腹を出して寝ているウェルタ

ソファはウェルタが占領しており、ゼロは床に放り出されている


「お-い!起きろ!!」


「んがっ!?」


「何だよ…」

「…鉄珠じゃねぇか」


「ゼロ、何してんだ」


「眠ぃ…」


「任務は!?」


「忘れてた!!!」


(遠足の日に寝坊した小学生みたいな反応だ…)


「あぁ---!やべぇ!!」

「おい!ウェルタ!!」


「んぁ-?何だよ…」


「俺の服は!?」


「秘書が洗濯してんじゃねぇの…」


「渇かせ!今すぐ!!」


(学校に遅刻しそうな高校生みたいな反応じゃねぇか…)


「おい!ウェルタ!!」

「お前もジジィ共に挨拶に行くんだろ!?」


「面倒臭ぇし…、もう良いや…」


「起-き-ろ-!!!」


「あと5分…」


((休日であと1時間は寝る親父みたいな反応だな…))


「鉄珠!蒼空!!」

「テメェ等は先に行ってろ!!」


「それは良いけどよ」

「何なんだ?緊急収集って」


「…あぁ-、忘れてたわ」

「今回の計画な、No,1が急に入るとか言い出してよ」

「大幅に変更になったんだわ」


「No,1…、か」


「五眼衆幹部の1人を相手にするから、他は任せるだとよ」

「変更つっても、楽になるから良いんだけどな」


「…何でNo,1が来てるんですか?」

「只でさえNo,3のゼロさんが来てるのに」


「個人的な用だろ?」

「アイツが仕事すんのとか滅多に無いし」


「そうなんですか!?」


「1回の仕事の報酬がバカみたいにデケぇらしいからな」

「俺も大概だが」

「…っと、んな事を話してるんじゃなかった」

「服!何処だ!?」


「乾燥室に行ったら10分も有ったら渇くぜ」

「俺も着替えっかな…」


ダラダラと側にあった服を適当に掴み着替え始めるウェルタ


(支部長の尊厳とか皆無だな…)


「じゃ、俺達は行こうぜ?蒼空」


「あ、はい!そうですね」


「怪しい奴が居たら速攻捕まえろよ」

「五眼衆以外にも狙う馬鹿共が居るしな」


「は、はい…」



会議会場前


(東京ド-ムよりデカい…)


「The order is an absolute!!」


数百人にも上るロンドン支部員達

その前で演説の如く声を張り上げる隊長らしき男


「…長ぇ」


「我慢してくださいよ…」


ブツブツと文句を言うゼロ

鉄珠に至っては寝ている


(でも、確かに長いなぁ…)


「Then we startes a plan!!」

「The failure is not tolerated!Did you understand it!?」


「「「YES,I do!!」」」


「あ、終わったみたいですよ」


「…じゃ、行くか」


カタンッ


ゼロが端に置いてあった布でグルグル巻きにされた棒を取る


「何なんですか?それ」


「…魔法のステッキってトコだ」


「?」


「俺は行くからな」

「そこの馬鹿叩き起こして早く行けよ」


「は、はい!」



読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ