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秋鋼  作者: MTL2
35/600

思春期

ロンドン支部


応接室


「…ん-」


「次はお前だぞ」


「解ぁってるって」

「ちょっと待てよ…」


ウェルタとゼロの前にはチェス盤

戦局は互角で、中々の勝負である


「…こうだな」


小さく音を立て、ゼロのビショップが移動する


「…クククッ」

「クイ-ンいただき!!」


「あ!!!」


「待った無しだぜ?」


「待った無しだろ?」

「チェックメイト」


「あ!!!」


「…」


「…」


「…どうなってる?任務の方は」


「本来の総責任者はお前だろ」


「面倒くせぇからテメェに頼んだんだぜ?」


「…部下に調べさせたんだがな」

「裏でコソコソ動いてるらしい」


「そろそろ、とは思ってたんだけどな」

「動き出したか、五眼衆」


「それと、妙な事が有る」


「能力者だろ」


「あぁ、そうだ」

「5500人の内、能力者は多少は居るんじゃないかと思ってはいたが…」

「まさか、全員が能力者とはな」


「こんだけの数なら動けば解るだろ」

「それが解らなかった…」


「…どういう事だと思う?」


「この前、日本で能力者が暴走したっつ-事件が起きた」


「7000万人だろ?知ってるさ」

「苦労したそうじゃねぇか」


「別に?俺は楽しかったぜ」

「…だが、それと同時に面白れぇ知らせも有った」

「No,1が負けたそうだ」


「No,1が?」

「軍最高の戦力だぞ?」


「負けたんだよ」

「俺も耳を疑ったが事実だ」


「…五眼衆にNo,1を負かす程の強者か」

「お前が護衛なんて任務に来たのも納得できる」


「五眼衆のボスにも目を付けてんだぜ?」

「中々のやり手だそうじゃねぇか」


「…っと、話がズレた」

「で、その日本での事件がどうしたって?」


「あ-、そうだったな」

「その事件、能力なんか持ち合わせてねぇ一般人が能力を発動したんだ」

「発動条件とかは確認されてねぇしよ」


「…確かに妙だな」

「能力ならば発動条件が必須だろう?」


「そのはずなんだがな…」

「それに、その能力者は2通りに別れた」

「暴走した者とコントロ-ル出来た者」


「それについては報告を受けている」

「暴走した者にも手間取ったそうだが、コントロ-ル出来た者には、さらに手間取ったそうじゃないか」


「当たり前だろ」

「即、悪用とか能なしかよ…」


「…それで?始末したのは」


「500人程度になるか」

「暴走した能力者共や共殺しした奴等も300人…」

「ま、んな所だな」


「結構な被害じゃないか?」

「お前の国では、な」


「隠すのが大変だったそうだぜ」

「急性のウイルスが原因っつ-事で片付けたらしいが」

「無茶苦茶だろ」


「だな」

「…5500人か」


「どうした?」


「7700万人…」

「…ふむ」


「?」


「…ちと、面倒くせぇ事になったかもな」


「どういう意味だ?」


「まだ確信は持てねぇから言えないが…」

「もし、俺の予想が当たってるとすると、かなり面倒くせぇぞ…」



女子寮


食堂


「…」


正座している波斗


の前で仁王立ちしているベルアと僚艦


「…つまり?」

「偶然、裸を見てしまったと」


「…はい」


「それに関しては洗髪剤を届けるよう申し出た私にも非は有ります」

「…だが、物置で寝かして欲しいとは何ですか」

「彼女に幻滅しましたか?」

「確かに彼女は胸にパットを…」


「りょ、僚艦!!」


「…口を滑らせてしまいましたね」

「ですが、裸を見た事と物置で寝たい事とは繋がりません」

「真っ当な理由が有るのでしょうね?」


「有ると言えば有るのですが…」

「その、何と言うかですね…」


「ハッキリしてください」

「今は何時だと思って言るのですか」


「11時です…」


「もう、とうに就寝時間は過ぎているのですよ?」

「貴方が彼女の部屋で寝なければ処罰にならず、別の処罰を考えなくてはいけないのです」


「は、はい…」


「さぁ、早く言ってください」


「…」


「…はぁ」

「Mr,テツダマ!!」


「呼んだ?」


(早っ!?)


「貴方も男」

「彼がどうして言わないのか解るでしょう?」


「ん-、まぁ一部始終を聞いてたから解るんだけどね」

「男の性質って言うかさ、そんなモン」


「…よく解りませんね」


「要するにさ-」

「女性の裸を見た思春期の男がさ」

「その女性に何事もなく一晩中、我慢するとか地獄に等しいってワケ」

「そういう事だね」


「…え?」


「襲っちゃうかもよ?」

「蒼空が」


「「 」」


「なるほど、思春期の悩みでしたか」

「それは失礼しましたね」


「…最悪だ」


「…最悪です」


「どうしたのです?2人とも」

「別段、そんな重要な事では…」


「僚艦っ!私は裸を見られただけでもショックなのに!!!」


「そうですよ!鉄珠さん!!!」

「俺も好きで見たわけじゃないのに!!」


「大事な客人の悩みに気付けなかったんなんて!!」


「俺が言いにくい事をサラッと言うなん…、え?」


「蒼空 波斗!!」

「貴方も悩みがあったなら言ってくだされば良かったのに!!」

「私で解決できる事なら幾らでも解決するです!!」


「 」


「そうでしたか」

「彼女もそう言ってるのですし、別に部屋変えはしなくて良いでしょう」

「私はもう寝ますね」

「ふぅ…」


バタン


「部屋に行くです!蒼空 波斗!!」

「私も多少の事なら相談に乗れるですよ!!」


「 」


「良かったじゃん、蒼空」


「良くねぇよ!!!」


「!?」


「いやいやいやいや!ベルアさん!?」


「どうしたのです?」


「俺の悩みってのは!!」

「…その!アレなんですよ!!」


「アレ?」

「襲うって格闘とかの戦闘ですよね」

「私も自信が…」


「解ってねぇ----!!!」


「ハッキリ言えば?」


「言えませんよ!!」


「…何か言いにくい事なのですか?」

「別に構いませんですよ?」


「あのですね…」


「…見せた方が早いね」

「別に良いっしょ?」


「…お願いします」


「はい」


バックから卑屈な本と取り出し、ベルアに渡す鉄珠


「…きゃぁっ!?」


「蒼空の悩みってのはそれ」

「どうすんの?君に解決できる?」


「うっ…、うぅ」


「む、無理ですよね!!」

「それが当たり前ですって!普通ですよ!!」


「申し訳ないです…」


「ちょっと期待したんだけどなぁ」


「鉄珠さんは何に期待してるんですか!!」


「はっはっは」

「まぁ、寝よ」


(飽きやがったな…)


「わ、私達も寝ますですか?」


「そうですね…」

「物置は…」


「あ、あの?」


「え?」


「僚艦が言った事は絶対なんです…」

「ですから…、その、ね?」


「…いやいやいやいやいや」


「き、期待しないでくださいよ!?」

「するつもりなんて有りませんから!!」


「俺もですよ!?」


「詰まらねぇの」


「全くですね」

「コレだから思春期の男女は」


「「アンタ等は寝ろよ!!」です!!」


読んでいただきありがとうございました

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