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秋鋼  作者: MTL2
330/600

磯の香り


アメリカ郊外


ジャンクフード店



「うぅむ!やはりこうでないとな!!」


「どんだけ食べるんですか…、ノアさん」


「茶柱ぁ!お前も食わんか!!」

「デカくなれんぞ!!」


「い、いや、私は女性では大きい方…」


「胸が!」


パァンッッッッ!!


「何か?」


「いや…」

(茶柱のビンタは強いのぅ…)


「それはそうと、ノアさん」

「これからどするんですか?」


「これから、とは?」


「五紋章争奪戦は残り1つだと聞いています」

「その1つの場所が解り次第、動くのですか?」


「…動かん」


「動かないんですか?」


「うむ」

「今回の五紋章だがなぁ…」

「うぅむ…、妙ではないか…?」


「妙?」


「あの、祭峰が拘っているのだぞ」

「ワシは五紋章は能力に関わるものだ、と聞いていた」

「祭峰は何故、能力に関わる物を狙う?」

「奴の目的は軍の破壊だろうに」


「軍の破壊行為の為に能力が必要なんじゃ…」


「いや…、本当に軍の破壊が目的ならばNo,2の件の時にだな…」


「No,2…」


茶柱の記憶に蘇る、大きな背中


「ーーー…っ」


「…どうした、気分が悪いのか?」


「いえ…」


「…まさか」

「まだ、あの時のトラウマが治っておらんのか」


「…申し訳ありません」


「何、謝る事ではない」


「しかし!私は貴方の伝説を…!」


「伝説など、他人が勝手に語り寄った物じゃ」

「ワシは微塵も気にはしておらんよ」


「でも…、その胸にある傷はまだ痛むんでしょう?」


「能力で無理矢理、くっつけておるだけだからなぁ」

「いつ割けてもおかしくは無い」


「…っ」


「…がはっはっはは!!」

「そう気に病むでない」


机越しに手を伸ばし、茶柱の頭をぐしゃぐしゃとなで回すノア

それに連れて茶柱の頭が左右に大きく揺れる


「ちょ、ちょっと!ノアさん!」

「子供じゃないんですから…」


「うぅむ、そうじゃったのぅ!!」

「ガハハハハハハ!すまんすまん!!」


「もぅ…」






日本



万屋


「…暇ね」


「暇だな」


「蒼空君、大丈夫かなぁ」

「響にうどん死させられてなきゃ良いけど」


「「「…」」」


「…えっ?何?」


「今のはツッコミ待ちでしょうか?」


「いや、確か火星って前に響にうどん食い倒れって名目で連れて行かれて…」


「「あー…」」


「でも、どうする?」

「万屋の仕事は」


「…ま、波斗が居なくても何とかなるでしょ」

「別にそんなに大仕事があるワケじゃないし、今は休業中だしさ」



カランカラーン


「あ、すいません」

「今は休業中なん…」

「………蒼空君?」


「…ども」


「「「磯臭ッッッッ!?」」」


「もわっと海の香りが」


「いや…、何かビショビショで…」


「何!?海にでも落ちたの!?」


「いや…、記憶がないんですよ」

「確かね…、一斑と話してた辺りまで…」


「…彩愛」

「響に連絡」


「了解」



prrrrrrrrr


「…」


prrrrrrrrr


「…出ません」


「逃げたな」


「逃げた」


「…あのクソうどんんンンンン!!!」


「いや、うどんはクソではないよ、美味いよ」


「…あの?」


「…はぁ」

「アンタ、響の手伝いに行ったんでしょ?」


「え、えぇ、確か」


「その後は?」


「記憶が曖昧で…」

「気が付けば家の前に」

「…気が付けば、家前倒れ、磯倒れ」


「何で一句詠んでるのよ…」


「ま、まぁ、無事で何よりだよ」

「でも着替えてくれば良かったのに」


「大家さんが居なくて…」

「鍵ぃ預けてたのに…」


「あぁ…、ドンマイ」

「まぁ心配しなくても何か服があるはずだから…」


「前々から疑問だったんですけど」

「…ここ、って誰か住んでるんですか」


「別に?誰も住んでないよ」

「元は織鶴の家だし」


「えっ!?」


「不要になったから万屋に、ね」

「生活用具も一式揃ってるわよ」


「おぉ…」


「でも、服はねぇ…」

「火星、ちょっと探してきて」


「…いや」


「は?」


「嫌です」


「何でよ」


「お前だろ!この前、服整理させた癖に俺がブラジャー見つけたら殴ったの!!」

「痛かったんだからな!!」


「ブラジャー触っちゃ駄目でしょう…」


「いやいや!出てきたんだって!偶然!!」


「新婚の初心夫婦みてぇ-!」






「…まぁ、服はあると思うけど」


(鉄珠ぁああああああああああああああ!!!)


(頭蓋骨砕けただろ…、あれ…)


「女物しかないかも」


「そうですね」

「あ、火星の服ならあるんじゃないですか?」


「あー、でもジャージだけだしなぁ」

「しかも上だけだし」


「下は?」


「今履いてる」


「脱いで貰えますか」


「何で!?」


「いや…、女装とかメイド喫茶のアレで懲り懲りですし…」


「俺もだよ!似合ってたの雨雲だけだし!!」


「え…、お前等、女装とかしたの…」


「「うるせぇーーー!!」」


「…下ならジーンズがあるわよ」

「彩愛、出してくれる?」


「解りました」








「…ブッカブカなんですが」


「まぁ、火星とは身長差がありますからね」

「火星は170後半ぐらいでしたか」


「ん、まぁそんぐらいだな」

「蒼空君は160後半ぐらいだろう?」


「えぇ…、まぁ…」

「…いや、上は良いんですよ、上は」


「?」


「尻がブカブカで…」


「…」


「…」


「…」


「…」


「Good,Bye蒼空君」


「え」




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