表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
327/600

No談議

海上


「ハハッハー!ザマァ見ろ-!!」


空を飛空する祭峰

彼の手には橋唐達が抱えられており、祭峰自身もフラフラとした危ない飛行である


「ホホホホホ!科学にも幸運ん!」

「まさか、防衛本能の標的が奴に移るとはぁ!!」


「ちょ!喋んな!バランスが崩れる!!」


「それは失敬ぃ」


「静かに喋れ!」

「祭焉蛩は長時間の飛行用に作ってねぇんだよ!!」


「ホホホホホ…、そうでしたかぁ」


「…で?」

「結局、お前等はオシリスとかいう筋肉に気絶させられたのか?」


「いえいえぇ…、違いますぅ」

「コヨーテという男の精神能力の攻撃ですねぇ…」


「あー…、だから霊魅がやられたのか」

「コイツはマジで精神攻撃に弱いのな…」


「仕方がありませんよぉ…」

「創世計画の犠牲者なのですからぁ…」


「…そうだな」

「…他の奴等はまだ寝てるのか?」


「グッスリですねぇ…」

「橋唐さんも流石に消費していたのでしょうぅ」


「はぁー…、タフさに欠けるなぁ、どうにも」


「ホホホホホ、それはそうと、後は蒼空 波斗を九華梨町に戻せば良いだけですからねぇ」

「それは私がしましょうぅ」


「おー、頼むぜ」

「お前ぐらいだぜ?後片付け手伝ってくれんのは」


「ホホホホホホホホホ!褒めても何も出ませんよぉ!」


「ちょ!お前!叫」

「ぎゃぁああああああああああああああああああ!!!」



その日、遠くの町から海で水柱があがったと目撃情報があったという





軍本部


5F食堂



「はふっはふっ」


「そんなに急がなくても良いヨ」


古びた食堂の机を挟んで座るソウとレウィン

レウィンの前には熱々の中華丼が置かれており、彼女はそれを一生懸命に頬張っている


「おいしい!」


「それは何よりネ」



「…何だ?」


「あ、クォンさんだー!!」


「No,7か」

「珍しいな、千両は一緒じゃないのか」


「うん!まだ軍病院で治療受けてるの!」


「そうか…」


「クォン!こっちネ」


「…何だ、貴様も居たのか」


「呼んだのは俺ヨ!!」


「あぁ、そうだったか」

「で?何の用件だ」


「…No,3と、これからのNoについて、ネ」


「…ほう」


「…」


「と、なると、無能力者の俺には場違いかな?」


「いヤ」

「一応は俺の直属部下なんだから話ぐらいは聞いとくと良いネ」


「…解った」


「でも、本当にソウさんの言う通りだね」

「No,2、No, 3が死んで…」

「No,1だって滅多に動かないし、活発なのはNo,4とNo,5ぐらいだよね」

「ソウさんは仕事はあまりしないし」

「私だって殆ど千両に任せっきりだしさ…」


「レウィン、お前はまだ子供だ」

「戦場に居ること自体がおかしい」

「その上、Noという看板を背負っているのだ」

「何と言うか、この言い方はおかしいかもしれないが…」

「…お前は千両に任せきりでも良いと思うぞ」


「でも…」


「それは違うヨ、クォン」


「…何故だ?ソウ」


「俺達は身を挺して何かを守るのが義務ネ」

「それは仲間だったり無能力者だったり家族だったり親友だったリ…」

「様々な物があル」

「だけど、それを守れない人間も居るヨ」

「無力な故に、それを守れなイ」

「そんな人間等の希望が俺達Noネ」

「それが戦わなくて良い、任せきりで良イ」

「そんな甘ったれた事を抜かすのは許されないヨ」


「…む」


「け、ケンカしちゃ駄目だよ…」


「ケンカじゃない」

「気にするな」


「う、うん…」


「確かにソウ、貴様の言う通りだ」

「だが、レウィンがNoになれたのは千両の後ろ盾が大きい」

「奴は白月並みに有能な側近だ」

「頼るのは悪くなかろう」


「頼るのはネ」

「ただし、最後に手を下すべきなのはレウィン」

「お前だヨ」


「…うん」


「この先、苦しい事もあるだろう」

「悲しい事や、時には仲間も殺す事がある」

「そんな時にお前を支えてくれる者を見つけておけ」


「私を支えてくれる人…」

「…うん、解った」

「見つけてみる!」


「あぁ、頑張れよ」







森草の家



ピンポーン



「はーイ」


「あ、セントさん」


「桜見さんじゃないですカ」


「ど、どうも」


「こんにちはー♪」


「どうかしましたカ?」


「え、えっと、森草…、居ますか?」


「居ますヨ」

「森草さーン!」


「はーい」

「…あら、桜見」

「それに夕夏も」


「よ、よぉ」


「どうしたの?」


「蔵波、知らないか」


「蔵波?」

「さぁ、知らないけど…」


「そうか…」


「旅行に行ってるらしいんだけどね」

「家族で行ってるワケでもないし、他の誰と行ってるわけでもないみたい」


「熊谷には聞いたの?」


「アイツも出かけてて携帯で聞いたけど駄目だった」


「何処に行ったんだろうねぇ…」

「最近は鬼村先生も見ないし」


「あの人、何処に行ったんだろうねぇ…」


「さぁ…?」






アメリカ支部


支部長室



「…はぁ」


「ため息かよ、グラン」


「ため息も出るわよ…、、もー…」

「何?この資料の量」


「頑張れよ?支部長[代理]さん」


「もう嫌…」


「おいおい、娘とステラに面目立たたねーんじゃねーのか」


「…はぁ、解ったわよ」

「それはそうと、ノアは?」

「茶柱も居ないみたいだけど」


「デートだよ」


「デート?」


「久しぶりの再開だろ」

「嬉しいんじゃねーのか」


「あぁ、そう言えば…」

「元はノアの直属部下だったものね」

「今は貴女の、だけど」


「預かってるだけだよ…」

「…アイツは世界を飛び回ってるからな」

「茶柱は私の部下でもあり、アイツの部下でもあるんだ」


「貴女は何処でノアと知り合ったんだったかしら」


「ノアが軍学校の講習に来た時に、だ」

「そこで茶柱を任されてな…」


「…確か、能力者狩りの前だったかしら」


「あぁ」


「…酷い、事件だったわね」

「アレが一番酷かった…」


「…酷い、か」

「アレは酷いとか…、そんな話じゃねーだろ…」

「何故、あんな事を行ったのか」

「何故、あんな事をする事になったのか」

「何故、あんな事をしようと思い至ったのか…」

「それらが全て謎なんだからな」


「どうして、元老院はあんな事を…」


「…さぁな」

「ただ、解ってるのは…」

「…私達が全員、人殺しだって事だ」





読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ