表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
319/600

チェックイン

無人島


「…何だ、こりゃ」

「島が半分、吹き飛んでんじゃねぇか」


島の中心に立ち、周囲を見渡す祭峰

その後ろからアロンとラグドが歩いてくる


「元老院2人が来たんだゼ」


「情けない話なのですが、為す術も無くぅ…」

「ラグドさんも戦闘後で消耗してましたからぁ」


「ったく、留守番ぐらいキチンとしてくんないかねぇ」


「無茶苦茶言うな!だゼ」

「シルディに怒って…」

「…シルディは何処だゼ?」


「確かに、姿が見えませんねぇ」


「命令無視したから殺した」


「…」


「…」


「ん?何だ」


「…そうか、だゼ」


「ホホホホホホ、解りました」



2人は解っているのだ


この男が、彼女を殺す事が出来ないことぐらい

この男が、彼女を庇って下手な嘘を言っている事ぐらい

この男が、歯を噛み締めて涙を堪えていることぐらい


解っているのだ


祭峰は、シルディを庇っている


彼等は今、決戦の真っ直中だ

その時に彼女は己を優先して死んだ


誰も責めることではない


彼女は彼女なりに生きて、死んだ


ただ、それだけだ



それでも祭峰は庇った


自己満足かも知れない


それでも彼は


「…バぁーカ」


庇ったのだ





九華梨町


地下街


ホテル



「チェックインを頼む」


「えぇ、解りました」

「チケットと身分証明書の提示を」


「…身分証明書は持ってない」


「持ってないのですか?」

「…失礼ながら、軍関係者の方で?」


「あぁ、そうだ」

「俺と、あそこで待っている男も能力を発動させてな」

「No,3と呼ばれている男の紹介で来たのだが、まだその身分証明書を持ってない」


「No,3の紹介で、ですか…」


不審そうな目で男を見つめる受付嬢

ゼロの死は知らされては居ないが、Noの紹介という時点で怪しいと判断したのだ


「…」


「何だ?」


「…いえ」

「では、No,3に確認が取れるまで暫しお待ちを」


「いや…、連絡は取れない」

「何でも今は任務に向かっているそうだ」


「…そうですか」

「では、102号室でお待ちを」


「あぁ、解った」




「…どうだった?夜斬」


「今は田中だ、斎藤」


「そうでした、そうでした」

「で?田中さん」

「これから、どうするの」


「…一応、ここに居るという情報は残せた」

「行くぞ」


「了解♪」









四国


霊封寺


霊封寺裏


「がぁああああああああああっっっ!!!」


「ぬぅぇええええいいいいいいいいいいいっっっっ!!!」


激突する一斑と霊魅

2人の実力は僅差

一斑が一撃を与えれば霊魅が防ぐ

霊魅が一撃を与えれば一斑が防ぐ


正しく拮抗


霊魅は強い

祭峰に認められるほどに

本来は人間にあるべきでは無い能力を持っているのだから


一斑も同じく強いのだ

響の恐るべきスパルタに耐え、さらに技を編み出し

本来は人間には[使えるはずの無い]技を使っているのだから




だが、その拮抗は


簡単に崩れ去る



ビクッ


「…!!」


「!?」


ゴッ


「がっ」


キャァンッッッッ!!


「なぁっ…!?」


決まる一斑の一撃

拳を正面に受けた霊魅は宙を舞って地面に叩き付けられる


「ぐぅっ…!」


相手が怯んでいる

チャンスだ

撃て、殺せ


しかし、一斑は動けない


一撃が決まって動揺しているのは霊魅では無く

一斑だった



(何や…?)


今のは


霊魅が、怯えた

俺に怯えたんちゃう


何に怯えた?


怯え方が尋常やなかった


吃驚したとか、そんなモンちゃう


ホンマに、ホンマに恐怖した

己の恐怖の根源に触れたような怯え方やった


「何…」


その姿


「…!」


今の今まで、殺気に塗れ殺気を持つ男の姿では無い


目を見開き、涙を流し、冷や汗を滝の如く流す

ガタガタと遠目でも解るほどに全身を揺らす、その姿


「た、霊魅…?」


「何で…!ここに…!!」

「嘘ッス…!居るはずが無いっ…!!」

「お前はっ…!何でぇっっ…!?」


ただ、何かを否定している


何を?


解らない


だけど、何かを否定し続けている



「お前はっ…!こんな所に居るはずが無いんッス…!!」

「憑神ぃっ……!!」











「気分はどうだ?憑神」


「…最悪だ」


「だろうな」


「私は…、いいや、彼は」

「これで私に、また近付いた」

「最早…、傷などあってない物だよ」


「そいつは、まだ気付いてない」

「発動条件など必要ない事に」


「…枷だったのに」

「皮肉だ」


「ふん、そうだな」


「皮肉など、あるのが普通だ」


「「!?」」


「多重結界が解かれたのは都合が良かった」

「その上、こんな収穫とはな」


「貴様っ…!」


「…誰だ?」


「元老院直属部隊隊長」

「シヴァだ」



読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ