表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋鋼  作者: MTL2
315/600

写真

霊封寺


「「 」」


「生きとるかぇ?」


「ギリ死んでる…」


「情けないのぅ」


「幸せそうな顔でケーキ食いながら見学してたお前が何を…」


「普段は別の者共にやらせておるのじゃ!」


「その人達に同情するわ…」


「…はぁ、疲れた」

「俺達もケーキ貰って良い?」


「この菓子をくれてやろう!」


「防腐剤ぃーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!」


「コレは食えんわなぁ…」






縁側



昼も過ぎ

時計の針が1時を回った頃


波斗、一斑、灯笠は日の当たる縁側で寝ていた



「んむ…」


「ぐぉおおおおおおおおおおおお…」


「うにゅうぅーー…」




「…一斑、うるせぇ」


むくりと起き上がる波斗

一斑のイビキがうるさくて起きたのだ


「…」


まぁ、一斑が灯笠に腕枕しているのはスルーしておくとして

リンデルちゃんにも普段からしてあげてるんだろうなぁ…


夏も終わって初秋の頃だから、そんなに暑くはない


日向が気持ちよくて、風も涼しい



…そりゃ、寝るわ





廊下


「トイレ何処だよ…」


広すぎて何にも解んねぇ


「ん?部屋…、か?」


この部屋…、だろうか




小さな部屋


「ありゃ、違った」


薄暗い、日の光が少しだけ差し込む部屋

ホコリっぽくて趣のある和室


「何か落ち着くなぁー…」

「…いや、トイレトイレ」


カタンッ


音を立てる写真立て


「…」


はい、駄目なタイプ

これ幽霊だろぉおおおおおおおおおおー…?


でも、直さなきゃ怒られるだろうし…


あぁーーーー…、もう


やだやだ…




カタッ


「曰く付きの写真とか止めてよ…」



その写真は



「…ッッ!!」


灯笠と

大家と

元No,2と

その直属部下の絵道と

総督と

夢の女と

ハアラと

見知らぬ、だけれど何処か知っている男の子と


幼き自分と


父と母



「…え?」


何で?



何も、当てはまらなかったピースが



当てはまった



「…何」

「何だよ、これ…」






縁側



ドタドタドタドタドタッッ!!!



「何やぁー…、うるさいのぅ」

「蒼空ぁー?」


「灯笠さんっっ!!」


「ぬぅおっ!?」

「急に吃驚するやろ!?」


「起きて!灯笠さん!!」


「お、落ち着け!蒼空!!」

「何や!?どうした!!」


「灯笠ッッッッッッッッ!!!」



ゴンッッッ!!



「ーーーーーーーーーーぅうっっっ!!」


「落ち着け言うとるやろうが!!」

「何があったんや!?」


「…はぁ、はぁ」

「俺の…、父さんと母さんが…っ」


「お前の親父さんとお袋さん!?」

「ほれがどうした!!」


「写真が…、あったんだ…」


「…写真?」

「知り合いやったんちゃうか?」


「違うんだよっ…!」

「俺の記憶にないのにっ…!写真にはあって…!!」

「俺の担任も居てっ…!夢の女もっ…!!」


「…はぁ?」


「俺っ…!は…!!」

「何なんだ…!?」

「何で記憶が無いんだよっ…!!」


「き、記憶にないって…」


「抜けてるんだよ…!顔だけ!!」

「思い出はあるのに!顔だけ!」

「全部ないっ…!ないんだ…!!」


「顔だけって…」

「記憶にない?何でや」


「解るかよっっ!!」


「…まぁ、取り敢えず落ち着け」

「何で灯笠が?」


「写ってたんだ…、写真に」

「俺と一緒に!」


「…何でお前は覚えてないん?」


「解らねぇよ…」



「うぅーーん」

「何じゃぁ…、うるさいのぅ…」


「ひっ、灯笠さん!」


「何じゃ…」

「わっちは眠い…」


「お、俺の父さんと!母さんは!?」

「知り合いだったの!?」


「…!」

「見たのか?写真を」


大きく、深く頷く波斗

灯笠は少しだけ俯き、そうか…と小さく呟く


「…答えてくれ」

「俺は誰で!両親は誰で!!」

「夢の女は誰なんだ…!?」


「蒼空 波斗…」

「お主は13人目じゃ」


「13…?」


「そして、お主の父は創世計画の副総責任者じゃった」

「お主の母は研究者で…」

「…夢の女とは[核]じゃ」


「…!?」


「全ては…」

「1つの、昔話から始まった」

「ある男が…、全てを…」



「言い過ぎだ、灯笠」


「!!」


「お、お前はっっ…!!」


「…久しいな?蒼空 波斗」

「首狩島以来だ」


「は、橋唐ァッ…!!」


「…お前は、一斑だったか」

「生きていたんだな」


「しぶといねんで…!俺はッ…!!」


「だろうな」



ガサガサッ



「早いッスよぉー!橋唐さぁん!!」


「情けない声を出すな、霊魅」


「えー、でも…」

「…あっ」


「た、霊魅…!」


「あ…、蒼空…!!」


「…え?何?知り合い?」




読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ