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秋鋼  作者: MTL2
302/600

火星&茶柱VSシルディ

D地区


キンッ


シルディの眼前に飛ぶ2つの手榴弾


「無駄。無駄」


しかし、彼女はそれ等を空中で爆破させる

それと同時に頭上を覆う影


「はっ!!」


「無駄と。言っている」


茶柱の踵落としは成人男性であろうとも昏倒させる威力

しかし、シルディはそれをいとも簡単に掴む


「…。爆ぜろ」


「させるかっ!」


火星の射撃

ほんの一瞬だが、それでも茶柱が抜け出すには充分である


「鬱陶しい。コンビ」


「無能力者同士で苦労人同士だと気が合うんでね!」


「えぇ、全くです」



「頑張ってください、苦労人コンビ」


「お前は隠れてろ!」

「って言うか!何でお前が狙われるんだよ!?」

「やっぱ、その情報解析力か!?」


「やめて!私のために争わないで!!」

「…という事です」


「意味が解らんわ!!」


「一度は言ってみたかった事です」


「あぁ、解りますね」


「ガールズトークを繰り広げんな!!」


「…。」

「解って。いるはず」


「…」


「あの人は。貴方だけでも。逃げさせたいと。言った」

「その意味も。聞いた」


「…そうですか」


「彩愛…?」


「では言っておいてください」

「断る、と」


「…。力尽くで。連れてこい。とも」

「言って。いた」


「それでも断ります」

「もう、彼は彼じゃない」

「彼は隻眼に殺されましたから」


「…あ、彩愛」

「まさか…、祭峰って…」


「…昔の話です」


「…。力尽く」


トンッ


「…?」


トンットンッ


「何だ…?」


トンットンットンッ


その場で跳ねるシルディ

何をするわけでもない

ただ、跳ねているだけなのだ


「跳ねてるだけ…、だよな」


「…違います、火星さん」

「足下を」


「足下?」


チカチカと輝るシルディの足下

何なのか解らず、火星は目をこらす


「…火?」


トンッ




ドッッッッッッッ!!!



「なぁっっっ!?」



加速


などという言葉では形容しがたいほどに


急速な加速



距離にして数十m離れていたにも関わらず

瞬きの間もなく距離を詰められる


「ッ!」


最初の標的は茶柱


彼女は鋭い拳を繰り出す


だが


「当たらない」


「しまッ…!!」


とっ


茶柱の腹部に当てられた掌


「え…?」


衝撃も何もない

ただ、当てられただけ


「何を…」


ボッ!!!



「かぁっっ……!!」



「まず。1人」



「ちゃ、茶柱ぁっっ!!」



弾け飛ぶ茶柱

シルディは掌を茶柱に密着させた後


爆破したのだ



「くそっ…!!」

「茶柱!大丈夫か!?」


無論、茶柱から返答はない

腹に小型とは言え[爆弾]を設置して爆破されたも同じなのだ

無事なはずがない



「次は。貴様だ」


「!」


トンットンットンッ


ドッッ!!


先と同じく急激な加速

茶柱と違って、火星は軍隊的な訓練を積んではいない

シルディの速度に反応できるはずもないのだ



「爆ぜろ」


火星に突き付けられた地獄への招待状

それは送迎付きという豪華な内容


火球を凝縮したシルディは火星の内蔵を焼き抉ろうと掌を突き出す


「ぐっのぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」





結果的に言うなれば



火星は回避しなかった



それ故に



「…がっ」


「火星っ!!」



皮を抉られ

肉を焼かれた



だが



「…どうだッ」



地面に突伏していたのはシルディだった



「…。」


彼女は何事もなかったかのように平然と起き上がる

しかしながら、彼女の顔面は血に塗れている


「…冷静な。判断」

「まさか。ここまでとは。思わなかった」


「…へへっ、そりゃどーも」



火星は避けなかった


そう、[避けなかった]のだ



突進してくるシルディ


火星の頭をよぎった選択肢は3つ


避ける


威嚇射撃



殴る




そして、火星は3つ目を実行した


その選択は正解



避けては茶柱の二の舞

窒素爆破によってジェット機の如き加速をしたシルディを避けるのは至難の業

例え避けられたとしても再び追い詰められるだろう


威嚇射撃など、愚の骨頂

戦場慣れしている彼女にとって銃を向けられても恐怖心など抱かないのだ



だが、[殴る]


この選択は最良の手段だった


急激な加速による衝撃

男女の体格や筋力の差


シルディは能力者とは言え華奢な女性


火星のような男の拳を顔面に

それも、自分の急激な加速の威力も加えて

受ければ無事では済まない


「…俄然。興味が。沸いた」


だが裏目

シルディは火星を雑魚としか見ていなかった


それを正式な[敵]として見たのだ


「…出来れば帰って欲しいんだけどな」


銃弾26発

手榴弾3つ

ダガーナイフ


コレで祭峰の左腕と呼ばれた奴に勝て、か



「…無理だろ」




読んでいただきありがとうございました

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