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秋鋼  作者: MTL2
300/600

結果論

「シルディ…!?」


「茶柱 栗東」

「秋鋼。火星 太陽」

「…そして。彩愛 真無」


「くっ…!」


「今、目標を発見したと言いましたが」

「それは誰ですか?」


「…彩愛 真無」


「あ、彩愛!?」


「…何ですか」


「祭峰から」

「こっちに。来い、と」


「…行きませんよ」

「私はこちら側に居ますから」


「却下」

「力尽くでも。連れて。行く」


「ど、どうして彩愛さんを…」


「…何だか解らないが」

「仲間を見す見す連れて行かせるほど、役立たずじゃないんでね、俺は」


銃を構える火星

茶柱も、困惑しながらも迎撃の構えを取る


「…勝てる。と?」


「思わないさ」

「ただ、時間稼ぎは得意分野でね」


「…殺す」


「やってみろ」










E地区


食料庫前


「…チッ」


切り刻まれた織鶴の肌

グランは倉庫の壁に凭れかけ、大きく息を切らしている


「だから嫌いなのよ…!暗殺型は…!!」



先から一向に姿を見せないリグ

煙の中から、屋根の上から、はたまた罠で


様々な方法で織鶴を攻撃してくる


そして、それらの方法に共通しているのは[姿を見せない]こと


織鶴は主に打撃接近戦が主流の戦い方


しかし、リグの戦法では能力すら当てられないのだ



「先刻の一掃作戦が裏目に出たわね…」


「アンタが提案したんでしょうが!グラン!!」


「仕方ないでしょ!寄りによってリグが来るなんて思わなかったんだから!!」


「…ったく」


キンッ


「鬱陶しいわね!!」



スカッ



織鶴の拳撃は空を虚しく切るだけ


影は煙の中へ姿を眩ます



「ちぃっ…!小物臭い…!!」



カチッ



(地雷ーーーーーーッッッッ!!)






C地区



ゴゥッッッ!!



「ぐっ…!」


「ふん!貴様の拳撃など不意打ちでなければ当たるはずがないだろう!!」

「拳力強化など!当たらなければ意味がない!!」


「まだまだまだまだぁああああああああ!!!」


繰り出される強力な拳撃

しかし、カムルには擦りもしない


「拳撃はこうやって繰り出すんだ」


ドドドドドドドドドドドド!!!


「ぐぁっっ!!」


「土を纏った拳撃は重いだろう?」


「ぐぅ…!!ぉおおおおおおおお!!」


シドウンは腹の激痛に耐え、拳を繰り出す


ゴキンッッッ!!


「ぬがぁっ!?」


「俺の能力で固められた岩の高度は鉄にも劣らん」

「それを全力で殴るなど…、自滅行為に他ならないな」


「っ…!!」


「俺のはそれだけじゃない」


ベキベキ…


「しまっ…!」


シドウンの足を包む岩

がっちりと地面に生え、彼の足を逃がさまいと固定している


「サンドバックだな」


「まだ上が開いているッッッッ!!」


ヒュッ


「…スカ振りも良いトコだ」

「シドウンよ…、誠に残念だ」

「貴様には軍を正した後は夢があったのだろうに」

「誠に愚かだな」

「大義を前に裏切りなど、反吐が出る」


「…俺は」

「大義よりも大事なモンを見つけちまったんでね」


「愚か者め」

「小娘相手に情で流されたか」


「情…、か」

「嫌いか」


「あぁ、嫌いだ」

「意味も無く結果をねじ曲げる物でしかない」

「…尤も、それに流される者も相応に、だがな」


「…お前は人間じゃねぇ」


「人間だ」

「血と肉と臓器で構成された人間だ」


「心がないのか!?お前には!!」


「心など要らん」

「結果論こそ全てだ」


「…それが答えか」


「あぁ、全てだ」


「…そうか」


「もう、言い残す事はないか?」

「愚か者よ」


「…愚か者はどっちだか」


ビキッ


(岩にヒビがッ…!?)


「下に意識向いてんだよ、馬鹿野郎」


「な」



ゴッッッッッッッッッ!!!



「ぼぁっっ!?」



「拳撃はこうやって撃つんだよ」

「覚えてろ」


「っそが…!」

「貴様ぁああああああああああああああああああ!!」


自らの血にまみれた顔面を醜く歪ませ、カムルは咆吼する

シドウンは彼を嘲笑し、ザマーみろと呟く




足掻き


最後の足掻きだ




「…好きにしろ」



足の感覚はない


相手が悪すぎた


拳も潰れた



最早、策はない



だが



悔いもない




「死ぃいいいいいいいねぇええええええええええええ!!!!」








「…今、行きます」

「和鹿島さん…」












「死ぬのは貴様だ」



バチィイイイイイイイイイイイイイイイインッッッッッ!!!!



天をも裂く雷撃



「がっ」


それに撃たれたカムルは、肉灰と化す



「仲間は大事にせねばならんのう」


シドウンを覆う大きな影


金色の髪

筋肉の鎧で包まれた巨躯

腕には多くの傷


「結果論を好く貴様の考えを否定はせん」

「しかしなぁ、過程も大事だぞ」



「なっ…!?」

「貴方は…!!」



「うむ、シドウン」

「元気か?」


「No,5…」

「ノア・ゼルデイギス…!?」




読んでいただきありがとうございました

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